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そう決心して、心臓の辺りをぎゅっと掴む。
｢じゃあ、そろそろ行こっか。
もうすぐ1限目が終わる時間だよ｣
｢あっ···、ごめんなさいっ。
健人さんまでサボらせてしまって···！｣
そうだ。
生徒会長の健人さんに悪いことさせてしまった···！
大きな失態に気づき、罪悪感でいっぱいになる。
そんな私とは対照的に
健人さんは優しい笑顔で笑った。
｢いいんだよ。
君のそばにいたいと思ったんだ僕の意志だ。
Aちゃんは何も気にしないで｣
健人さんは
それにね···と付け足し私の耳元に口を寄せる。
｢僕は結構、常習犯だから｣
そう囁いて、いたずらっ子のように笑った。
健人さんの意外な一面にびっくりする。
さぼり常習犯···？健人さんが···？
｢内緒だよ？｣
人差し指を口に当てる健人さんが
何だかとってもお茶目に見えて
私は思わず笑ってしまった。
｢やっと笑ってくれた｣
｢········っ、｣
｢Aちゃんには笑顔が似合うよ｣
健人さん···。
本当になんて素敵な人なんだろう。
健人さんと付き合う女の子は
きっと幸せなんだろうな。
そんなことを思いながら感謝の意を述べて
飲み終えたティーカップを給湯場に持っていく私。
私はきっと健人さんの優しさに甘えてたんだ。
だから···気づかなかったんだ。
｢僕なら···君を泣かせたりしないのに｣
少し離れた場所で私の後ろ姿を見ながら
健人さんがそんなことを呟いてたなんて···
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作者名：なっちゃん
| 作成日時：2020年7月29日 19時
