＊*56 side廉 ページ7
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｢何が気持ちわりーの？｣
｢···何でもない｣
どうやらまだ俺に付きまとっていたらしい優太。
｢いやー、でもマジでビビったわ。
まさか廉とAがなぁ〜
お前、女嫌いなのにどういう風の吹き回しだよ｣
｢·······················。｣
｢黙りですかぁ〜。そうですか〜。
チッ、連れねー奴。
···でも俺、姫はてっきり中島先輩と
付き合ってんのかと思ってた｣
···チッ。
｢その名前を出すな｣
｢おおっと、喰い付いた？いやだって有名じゃ〜ん！
廉が入学するまでは1部から
王子って呼ばれてたらしいし？
完全無欠の生徒会長がアタックしてるって
校内じゃ知らない奴いねーだろ｣
思わず舌打ちしそうになった
聞き覚えのある名前。
優太は反応した俺に
これでもかと突っかかってきて
うざったいといったらありゃしない。
前々から、噂は俺の耳にも入って来ていた。
生徒会長の中島健人という男が姫を狙っている、と
どうやら校内でも1.2を争うモテ男らしく
今まで女の影は無かった故、瞬く間に広まった。
···焦ったに決まってる。
でもどうやら今は
俺と付き合ってると噂になっているらしいし。
その噂を否定するつもりもない。
いずれそうなる。
絶対に俺は──────。
強く思った言葉を飲み込み
誰にも気づかれないよう瞬きに紛れさせるように
目を閉じた。
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作者名：なっちゃん
| 作成日時：2020年7月25日 0時
