溺愛注意報《2》 (ページ39)

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HRが始まる合図のチャイムが鳴る。

私がいるのは教室ではなくて

校舎裏の花壇だった。

瞳から溢れる涙が止まらない。

地面に広がるシミは大きくなっていって

顔を両手で覆った。

私がいると出来ない話だと言ってた。

そして間違いなく

廉くんは私たちの話を聞いていた。

あの子が廉くんのことを好きだと知っている上で

2人きりにしてくれと言ったんだ···

する話なんて1つしかない。

今頃、何を話しているんだろう···。

廉くんはもしかして

あの女の子と付き合うことにしたのかな？

そしたら、私のことはもうどうでもいい？

｢こんなところでサボるなんて···悪い子だね｣

涙でできたシミを見つめていると

突然、大きな人影が私の前に広がる。

振り向かずとも分かった。

私は、この優しい声を知っている。

｢健人、さんっ···｣

｢あーあ···そんなに泣かないで｣

健人さんはしゃがみこんで

私と同じ目線になってくれる。

長い指が伸びてきて、私の涙を拭った。

｢泣かないで···お姫様｣

どうして···健人さんがそんな辛そうな顔をするの？

｢ここにいたら先生に見つかるからね。

秘密基地に行こうか？｣

健人さんはそう言って私に手を差し伸べてきた。

どうしてここにいるんですか？とか

健人さんでも授業サボったりするんですね、とか

思うことはたくさんあったのに

今の私にはもう、その手をとることしか

許されないように感じて···

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