溺愛注意報《2》 (ページ33)

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それに恋愛をすることに臆病になっている

自分がいる。

中学1年の、私の中の大切な人思い出。

黒崎くんと私は放課後よく一緒に図書室で過ごした。

お父さんとお母さんを見てきた私は

恋愛なんて信じることが出来なくて。

神に誓い合ったって

人の愛情なんて脆いものなんだと。

すぐに壊れてしまうものなんだと認識していた。

だから好きだなんて告げる勇気はなかったけれど

黒崎くんなら···廉くんなら信じても大丈夫だと

思ったんだ。

けど、結局彼はさよならも言わずに

私の前からいなくなった。

初めての失恋。

1人でたくさん泣いて

私には恋愛は向いていないんだと強く思った。

結局、それ以来1度も恋という恋を

してこなかった私。

未だに恋だ愛だなんて完全には信じられないし

男の人が苦手なのも治ってない。

けど···それでも予感はしてるんだ。

｢あのね···｣

だって、今だって心臓がドキドキしてる。

もう気のせいかだなんて誤魔化せないよ···。

｢私、こんな曖昧なこと言うの卑怯だって

分かってるんだけど

廉くんのこと···好きになっちゃうと思う···っ｣

｢···っ！？｣

｢今は中途半端な返事出来ないけど

廉くんといると安心して、ドキドキして···

今日、廉くんには絶対嫌われなくないって思った···｣

自分で言っていながら、恥ずかしくてたまらない。

でも全部、嘘偽りのない真実で

卑怯なことだって分かってるの。

今すぐに返事出来ないだなんて言っておきながら

廉くんに好きでいてほしいだなんて···私、最低。

｢だから、あの、もう少し···待ってくれないかな？｣

廉くんが無理だっていうなら

もちろん諦める。

けど答えがイエスであるなら

────私はこの人と恋をしたい。

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