溺愛注意報《2》 (ページ15)

今日:37 hit、昨日:16 hit、合計:800,215 hit

＊*64 ページ15

.

私の質問に廉くんは

はぁ···とため息をついた。

｢A、俺の話聞いてた？

だから、そのずっと好きな人がAなの｣

｢···っ、え？｣

｢それと、付き合ってる奴なんかいない。

ていうか、Aは今俺と付き合ってるって

噂みたいやけど？｣

｢えぇっ！？｣

な、何でっ···！

えっと、それじゃあ春ちゃんが言ってた

廉くんの好きな人っていうのが···私だってこと？

そん、な···

顔が赤くなるのが鏡を見なくても分かった。

恥ずかしくて、廉くんの顔なんて見れなくて

今すぐどこかへ逃げてしまいたい。

｢俺の気持ち、分かってくれた？｣

｢どうして、そんな急に···｣

昨日までそんな素振り見せなかったのに···。

初めて会った時

初対面の人みたいに挨拶してきたのに

急に、告白なんて···

｢本当はもっとゆっくり

距離を縮めていこうと思ってたけど

やっぱりAがこんな近くにいるのに抑えられん｣

真剣な眼差しに見つめられると

もう何も反論できなくなる。

｢それに···俺のこと覚えててくれてて

しかも初恋だったとか言われたら

もう俺、我慢なんてせんから。

全力で堕としにいく｣

｢堕とす、って···｣

そんなこと言われても

私、どうしていいか分からないよ···。

頭の中がいっぱいいっぱいになって

ぎゅっと目を瞑る。

すると、頬に何か触れる感触がした。

ちゅっ、と可愛らしいリップ音が響く。

.