観覧車のジンクス ページ28
.
【秀一side】
時間も時間で、観覧車にはすぐに乗ることができた。
「うわぁ〜！すごい！」
いつもと違う景色に嬉しそうにはしゃぐA。
うん。可愛い。
「あ！あれさっき乗ったやつだ！」
『A楽しそうだね』
「うん！だって秀くんと観覧車乗りたかったから」
……っ
ほんとにこの子は無自覚で可愛いこと言うんだから。
「ねぇねぇ！見て秀くん！あれ……んっ」
『…ふっ、顔真っ赤』
「だ、だって！秀くんが…いきなり……するから」
『だってAがあまりにも可愛いことするから。したくなっちゃった』
キスなんて数えきれないほどしてるのに、いちいち照れるんだから。
ほんとピュアだよね、Aって。
『あ、そういえばここの観覧車って有名なジンクスがあるんだって』
「…ジンクス？」
『うん。��頂上でキスしたカップルは永遠に結ばれる��ってジンクス』
まぁ、よくあるやつだけどね。
てか、そんなジンクスに頼らなくたって…
『まぁ、そんなことしなくたって俺たちはずっと一緒だけどね』
「…え？」
『…ねぇA、いきなりだけど
.
結婚しよっか』
「…秀くん」
『今すぐには無理だけど、大学卒業して仕事が安定したら結婚しよ。だからそれまで待ってて？』
「…はいっ」
Aの大きな瞳から大粒の涙が流れた。
ほんとに泣き虫なんだから…。
『まだ婚約指輪とはいかないけど、これ…』
鞄から取り出したのは、前に買っていていつ渡そうか考えていたピンキーリング。
リボンがあしらわれたピンクゴールドの指輪はAにピッタリで、一目見たときからAにあげたいって思ってたんだよね。
「…ありがとうっ」
『必ず幸せにするから。
愛してるよA』
「私も…っ」
そして観覧車が終わるまでの時間が許す限り、俺たちは甘いキスを繰り返した。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2251人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なっちゃん
| 作成日時：2019年7月5日 21時
