ペア ページ16
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秀一side
斎藤 「では今から一緒に回るペアを決めてくださーい!男女1人ずつですよー!!」
この肝試し大会の幹事である1組の斎藤の声で始まったペア決め。
好きな人に積極的に声をかけているヤツもいれば、中々ペアが決まらず困っているヤツも。
まぁ俺はもう決まってるから、何の問題も‥‥
「‥‥俺さ、頑張ってAさん誘ってみようかな」
「え、それって3組の?」
「やめとけって!Aちゃん明智と付き合ってるんだぜ?絶対無理だって!!」
‥‥あったな。
Aが他のクラスの男子にも人気があるってことは知ってたけど、ここまでとは‥‥。
まぁ、絶対に譲らないけど。
「‥‥俺、行ってくる‥‥!!」
「は?ちょっ、‥‥おい!」
そして決心したのか、暗い夜でも分かるくらい顔を真っ赤にして俺達の元へとやってきた1人の男子。
へぇー、いい度胸してるじゃん。
「Aさん!」
「へっ?」
『‥‥‥』
「あ、あの!肝試しのペア俺と組んでください!!」
そう言うと、そのままガバッと頭を下げたそいつ。
Aを見れば、いきなりのことに状況が飲み込めないのかぽかんとしていた。
「えっと、あの‥‥『悪いけどさ』
「‥‥っ、明智」
『Aのペアはもう俺って決まってるから、他当たってくれる?』
男を軽く睨みながらそう言うと、俺はAの腰に手を回してグイッと引き寄せた。
彼女を他の男と組ませるわけねぇじゃん。
「‥‥秀くん」
「川崎達のところ行こっか」
もうこれ以上、この男の近くにAをいさせたくなくて俺はAの手を引いて東条達のいる方へと向かった。
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作者名:なっちゃん | 作成日時:2019年7月5日 21時