lesson 32 ページ33
景光side
間違えて買ったいちごミルクにストローを指す。
音を立てて吸い上げていると、幼馴染が今日何度目かわからないため息をついた。
｢おーいゼロ、話があるって呼び出したのはお前だろ。早く言えよ｣
｢う…わかってる｣
｢どうせAのことなんだろ？｣
俺の言葉に、ゼロはギクッと肩を跳ねさせる。
なんでわかったかって？
答えは簡単。俺が昨日Aに発破をかけたからだ。
あれでなにか進展すればいいとは思っていたけれど、案外早かったな。
昨日の今日で相談窓口を開くことになるとは思わなかった。
うー…と唸った彼は、観念したかのようにゆっくりと口を開く。
｢昨日…初めてAの方からキスされて…｣
｢……おう｣
…あれ？大丈夫だよな？
ここ相談窓口だよな？俺今から惚気聞かされたりしないよな？？
飛び出た言葉が思ってたより甘くて若干戸惑った。
が、堪えて続きを待つ。
｢その時からなんか様子がおかしいとは思ってたけど、我慢できなくて俺からもキスして、｣
｢………はい｣
｢そしたら、言われたんだ｣
｢…なんて？｣
零は１拍置いて、伏し目がちに言った。
｢警察官になったら、A以外の女とこういうことするのか…って｣
｢おっ｣
やっと進んだか。やっと気づいたか、あの天然鈍感娘。
口角が上がりそうになるのを必死に抑える。
よし、もうこれでゴールは目前だろう。
流石にここまで言われれば零の方も気づくはずだ。
しかし、当の本人を見てみれば、彼は屋上の手すりにうなだれている。
その表情はなんというかこう、絶望しきった感じで。
なんでそんな顔してるんだ、と思った直後、鈍感幼馴染第２号はてんで的はずれなことを言い出した。
｢これって、誰にでもそういうことする奴だと思われたってことだよな…俺、引かれたかな…｣
｢……………あー、そっちにいくかぁ｣
｢嫌われたかも…｣
｢めんっどくせえなお前ら｣
思わず本音が出てしまった。
まじでめんどくせえ。なんでそう悪い方へ捉えるんだ。
Aが零を嫌うなんて万が一にもありえるわけないだろ。
…いや、仕方ないか。
こいつ、もうずっと片思いをこじらせてきてるから、Aが自分を好きかもなんて思考がないのだろう。
ため息が漏れる。
ったく…世話の焼ける幼馴染達だ。
｢思い込みをしてるようじゃ警察官にはなれないぞ｣
｢はぁ？｣
｢お前、片思いこじらせすぎ｣
眉を寄せる零に、軽くデコピンを食らわせた。
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ふゆーれい(プロフ) - に、ニヤニヤが全くとまりませんでした…。あと隣の子から預かってた手紙を零に渡す所が何か辛かった()面白かったです！今更ですが、完結おめでとうございます！ (2022年7月25日 22時) (
レス) @page42 id: 5fc4c4d6bd (このIDを非表示/違反報告)
はろーきてぃ様。 - めっちゃ面白かったです！！さいこおお！がんばれえええ！ (2022年5月27日 23時) (レス) @page42 id: 278a10c8d3 (このIDを非表示/違反報告)
よる - 告白しようとした美少女の性格が好きすぎる…めっちゃカッコいいから振られたとしても堂々としてそうだなぁ (2021年4月17日 13時) (レス) id: 6e0ab3a00d (このIDを非表示/違反報告)
mami - 完結お疲れ様です！凄く面白かったです！ (2019年8月5日 5時) (レス) id: 3ba7cafabb (このIDを非表示/違反報告)
盛りそば。 - なにこれ……萌しかないじゃないですか…尊死(( (2019年7月21日 15時) (レス) id: 2b295a992e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：立夏
| 作成日時：2018年6月15日 21時
