41話 ページ43
「小学校の同級生に会ったぁ!?」
『そうなんです、しかも最近めっちゃマープルに来るんですよ〜!完全に常連さんです!』
悠太のことは降谷さんに話したら面倒なことになりそうだと直感的に思ったのでしばらく黙っていたが、常連さんになれたらそうはいかない。
まぁマープルのコーヒーは美味しいから通いたくなるのも仕方ないと思うけど。
というわけで本庁のデスクに座る降谷さんに彼のことを話していた。
もちろん初恋云々は言わないよ。あれについてはもう何も考えないようにしている。
予想通り降谷さんの眉がキュッと寄った。あっこれは怒られる。
「バカ、なんでもっと早く言わないんだよ!」
『だ、だってまさかあんな頻繁に来るようになると思ってなかったんです〜!なんか私がいる時によく来るしー!』
「…そいつ男?」
『え?はい、そうですよ』
頷いた瞬間、降谷さんがめちゃくちゃ大きなため息をついた。
口を開いて何かを言いかけ、しかしすぐに口を閉ざして何か悩む素振りを見せ、また小さくため息。
「……まぁいいや。その案件そろそろ終わるし、ちょうどいいからお前もバイトやめろ」
『やっぱりそうなりますよねー、明日店長に話しますね』
バイトは結構楽しかったから残念ではあるものの、元々短期の予定だったし仕方ないだろう。
今月いっぱいで辞めさせてもらうとして、明日からは常連さんに挨拶しないとなー。
そう考えながら、今から行く現場のために拳銃に弾を詰めた。
*
『やっほー新八くん!』
「新一だってば」
店長や一緒に働いてる皆さんから引き止められたまくった末、なんとか交渉には成功した。
今日もカウンター席には悠太の姿。
一言二言当たり障りのない会話を交わし、ちょうどその時来店した新一くんの方へ向かった。
『今日ね、ニュースで新一くんのこと見たよ!』
「あー、昨日の事件のやつ?」
『そうそう、すごいね!流石名探偵!』
少し照れたように笑った新一くんはいつも通りコーヒーを頼む。
そうだ、新一くんにあのこと言わないと。
『新一くん新一くん』
「ん?」
『私、今月いっぱいでこの店やめるから──』
「え、やめる!?」
その大きな声は新一くんから飛び出したものではなかった。
思わず新一くんと揃って目をぱちくりさせ、声が飛んできた方向を振り返る。
「……あ、すみません…」
目線の先にはカウンター席。
椅子を倒して立ち上がった悠太の姿があった。
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立夏(プロフ) - 利茄さん» ありがとうございます! (2020年4月23日 0時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
利茄 - 面白い! 青井と犬子は、吹きましたww もう、最高ぉーーーー! もし、よかったら、私のも、読んで 下さい! (まだ、完成してないけど) www (2020年4月22日 0時) (レス) id: 1a3e36626c (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - りーぬ@天使が尊いさん» ありがとうございます!!犬井犬子のくだりの時はたまたまポアロの近くを歩いてただけなので行ってないですよ〜! (2020年4月8日 20時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
りーぬ@天使が尊い(プロフ) - すっっっっっっっごくおもしろかったです!!!!!31話で主人公ちゃんがポアロに行ったことないって言ってるんですけど犬井犬子のくだりのときに行ってませんでしたっけ??思違いならすみません(((^^;) (2020年4月8日 16時) (レス) id: 181f09b6df (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - 立冬さん» お前wwwwありがとうございます!!!ww (2019年2月6日 17時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:立夏 | 作成日時:2018年8月8日 22時