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16話 ページ17

「そもそもハロはお前が公安に来る前から飼っている」


俺の言葉に、Aはハロの毛に埋めていた顔をゆっくりと上げる。


『私の前から…』

「昨年からだ。お前のセンパイだな」

『セ、センパイ……』

「わんっ!」


一鳴きしたハロをじっと見つめるA。

ハロは当然なにもわからないため丸い瞳で見つめ返す。

そろそろAも諦めたかな、と思ったが、数秒置いてまた騒ぎは再開した。



『でも会ったのは私の方が先ですぅぅぅ』

「お前めんっどくせえ…」

『私以外にもわんこを飼ってたなんて…!しかも!家で!いいなあ!!』

「本音が出てるぞ」


Aは騒ぎながらじたばたハロとじゃれる。

なんだかんだ仲良いじゃないか…こっちからしたら可愛い犬達が戯れてて普通に和む。

そのままえらく楽しそうに遊んでいたが、少ししてからAが急に真面目な顔付きでハロを覗き込んだ。



『降谷さんは、あなたに対しても優しいですか?』

「わんっ!」

『ですよね!でも怒ったら怖いですよね?』

「わうぅ…」

『あー、わかりますわかります。降谷さんそういうとこありますよねぇ』

「わんわん!」

「……ちょっと待てお前今なにやってる?」


いきなり繰り広げられ始めた光景がぶっ飛びすぎてて目を疑った。

…え?なに今の。なんかめっちゃ意思疎通してなかったか?

Aはキョトンとしてこっちを見上げ、なんでもなさそうに答える。


『ハロさんとお話ですよ』

「こわっまじでなんなのお前」


人間やめてんのかこいつ。道理で時々人語が怪しいわけだ。

可愛い可愛いとハロを撫でくり回すA。

そんな彼女の頭を無意識に撫でた。

するとAはじとっとまた俺を軽く睨む。


『降谷さんはわんこたらしですね』

「はぁ?」

『ひじょーに罪深いです!きっと今までもたくさんのわんこを誑かしてきたんですね!』

「そんな訳あるか」


今日のこいつ本当めんどくさいな…

まあでも、これが可愛く見えないはずもない。

むすっと拗ねているAの頭に再び手を伸ばす。

今度は素直に撫でられる彼女に、小さく笑いを零した。

17話 ▽揺れるピーチブロッサム→←15話 ▽レモンイエローのif



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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 安室透   
作品ジャンル:恋愛
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立夏(プロフ) - 利茄さん» ありがとうございます! (2020年4月23日 0時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
利茄 - 面白い! 青井と犬子は、吹きましたww もう、最高ぉーーーー! もし、よかったら、私のも、読んで 下さい! (まだ、完成してないけど) www (2020年4月22日 0時) (レス) id: 1a3e36626c (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - りーぬ@天使が尊いさん» ありがとうございます!!犬井犬子のくだりの時はたまたまポアロの近くを歩いてただけなので行ってないですよ〜! (2020年4月8日 20時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
りーぬ@天使が尊い(プロフ) - すっっっっっっっごくおもしろかったです!!!!!31話で主人公ちゃんがポアロに行ったことないって言ってるんですけど犬井犬子のくだりのときに行ってませんでしたっけ??思違いならすみません(((^^;) (2020年4月8日 16時) (レス) id: 181f09b6df (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - 立冬さん» お前wwwwありがとうございます!!!ww (2019年2月6日 17時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:立夏 | 作成日時:2018年8月8日 22時

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