35話 ページ40
時は夕方。
しかし、朝から降っていた雨はやむことを知らず、当然綺麗な夕焼けなんて見えやしない。
透明なビニール傘越しに雨空を見上げていると、パンプスが見事に水たまりを踏んでしまった。
うえぇ…靴の中濡れた、気持ち悪い…
はぁ…とため息をついて見慣れた道を歩く。
なんだかは今日はずっと、変な胸騒ぎがしているのだ。
零を見送って、雨が降ってきて、その時からずっとだ。
根拠の無い不安に押しつぶされそうで、仕事もあまり捗らなかった。
今、私が向かっているのはポアロである。
急ぎの案件は昨日に一段落していたし、今日終わらせなければいけない仕事は少なかった。
だから早めに仕事を切り上げさせてもらったのだ。
当然今日は零のシフトは入っていない。
ポアロに行ったところで会えるわけがない。
それでもいい。
ただなんとなく、ちょっとはこの気分が紛れるかな、なんて思ったのである。
しかし、薄暗い景色の中。ポアロの電気は付いていなかった。
『…ん？休み？』
扉に貼ってある紙を見ると、確かに｢臨時休業｣と書かれている。
なんだ…休みか……
思わずガックリと肩を落とす。
うん…休みなら仕方ない。さっさと帰ろう。
そう思って踵を返したその時だった。
｢あれ、Aさん？｣
『え？』
下の方から声が飛んできて、そちらを見下ろす。
すると、大きな黒縁のメガネが目に入った。
あぁ、そっか。この上は彼の居候先だもんね。
『久しぶりね、クソガキ』
｢Aさん…僕に対して色々隠さなくなったね…｣
別にいいでしょ。正体バレてるんだから。
多分この子はまだ猫を被っているが、それでも私のことをAお姉さんではなくAさんと呼ぶようになった。
コナンくんはポケットに手を突っ込みながら、チラリと暗い店を見る。
｢ポアロに来たんだよね？｣
『まあね、でも休みみたいだしもう帰るとこ』
｢マスターが旅行中なんだってさ。
せっかくここまで来たんだし、うちでコーヒーくらい飲んでく？｣
『え？でも…』
｢おじさんと蘭姉ちゃんなら今いないから｣
え、いや別に結構なんですけど。なんか今日はグイグイくるなこの子。
正体を明かしてなかった頃に比べたら、やはり随分大人びてるように見える。
｢ね、ちょっとお話しようよ。Aさん｣
ンンンンンン
少年よ。目が笑っていないぞ。
お前あれだろ、どうせ私から情報盗む気だろ！
頼むからその目やめて！！まじ怖い！！！
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立夏(プロフ) - 坂竹会長さん» わわわほんとですね…！ありがとうございます！直しておきます！ (2018年9月30日 21時) (
レス) id: 0fab2bc529 (このIDを非表示/違反報告)
坂竹会長 - ページ30、あんなとこでが、あんたとこでになっております。間違っていたらすみません。 失礼しました。 (2018年9月30日 20時) (レス) id: d6f7fc00e7 (このIDを非表示/違反報告)
mリン(プロフ) - 立夏さん» まさか見ていただけてるとは……！夢主ちゃんがどうなるか続きが気になります……。お互い更新頑張りましょう笑 (2018年6月7日 9時) (レス) id: 0761f3b4ce (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - mリンさん» わぁぁmリンさん！初めまして！私もmリンさんの小説いつも楽しみに読ませてもらってます！！本人の前で素直になれるのはいつになるやら…という感じですが応援していただけると嬉しいです笑 ありがとうございます！頑張ります！ (2018年6月5日 23時) (レス) id: 0fab2bc529 (このIDを非表示/違反報告)
mリン(プロフ) - お初にお目にかかります。ちょっと素直になってきた夢主ちゃんがたまらなく可愛いです………。このお話本当に好きです。私のとこの夢主とはえらい違いが……笑 続き楽しみにしてます、更新頑張ってください！ (2018年6月5日 23時) (レス) id: 0761f3b4ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：立夏
| 作成日時：2018年5月20日 18時
