55話 ページ12
『初めて手を差し伸べてくれた！
初めて私に生きろと言ってくれた！
初めてそばにいることを許してくれた！
初めて私の夢を聞いてくれた！
その夢を叶えてくれた！
私があなた以外を選ぶなんて、一生ありえないに決まってるじゃないですか！
ずっとずっと、一緒にいます！！
あなたのそばを離れるつもりも、あなたを誰かに渡すつもりも、これっぽっちもありません！！』
Aの手が震える。
握りしめられていた拳の力が弱まる。
そしてAは、弱々しい声で零した。
『降谷さんは…そうじゃないんですか』
｢……っ｣
衝動的にAの小さな体を抱きしめた。
雪で濡れた彼女は冷たくて、それでも感じる久々の温もりに心が締め付けられる。
俺はAの肩口に首を埋めたまま言った。
｢バカだな、お前｣
違う。バカは俺だ。
こんなにも想っていてくれたのに気づかないなんて。
｢…ずっと、探してたんだ｣
『…え？』
｢ずっとAのことを追いかけて、探していた。
お前が幸せになることを願って、お前の夢を叶えてやりたくて、会えなくなってから何年も探し続けていた｣
Aが息を呑む音が聞こえた。
そりゃびっくりするよな。だって言ってなかったんだから。
後悔してたとだけしか伝えてなかったんだから。
｢だから…ずっと願い続けていたお前の幸せが叶うなら、隣にいるのは俺じゃなくたって構わないと思ってた｣
思ってた、はずなのに。
顔を上げる。Aと視線を絡ませて、額を重ね合わせた。
｢もう２度と離してやれなくなるぞ｣
『はい、絶対に離れないです』
｢泣いたって繋ぎ止めるからな｣
『そんなのこっちのセリフです』
｢俺といない方が幸せになれるかもしれないのに｣
『もう、まだわかってないですね』
Aは緩く笑い、俺の手を握る。
『どんな幸せも、あなたの隣じゃなきゃ意味ないんです』
なによりも大好きな笑顔でそう言ったAに、グッと奥歯を噛んだ。
そうしないとなにかが溢れ出してしまいそうだった。
｢…一生一緒にいてくれるか？｣
『はい』
即答した彼女に、小さく笑ってしまう。
意外そうに目を丸くしたAは、やっぱり気づいてないらしい。
｢わかってるか？今プロポーズしてるんだが｣
『…え？え、は！？プロポ…！？』
急に慌て出す彼女に吹き出してしまった。
鈍いところは相変わらずらしい。
彼女の頬に手を添える。そしてその言葉を口にした。
｢結婚しよう、A｣
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かちかち太郎丸 - すきーーーーーー！！！！一気見させていただきました！！！！超絶大大大大好きです！！！ハッピーエンド最高すぎます、、、！素敵な作品ありがとうございます！ (11月22日 22時) (
レス) @page25 id: b4989b061f (このIDを非表示/違反報告)
みょん - 、、、天才がここにいる、、、終わりかたがすごい好きです！結婚後の話とか、映画の話とか書いてくれませんか、、、？ (2022年6月17日 16時) (レス) @page25 id: 932e0b63ac (このIDを非表示/違反報告)
じゃむ - 間違いなく天才。だいすきです。あなたの夢小説に出会えて幸せ。 (2022年6月12日 22時) (レス) @page25 id: efa5817db4 (このIDを非表示/違反報告)
七海(プロフ) - 映画見てなかったらごめんなさい！！！！！ (2022年4月24日 23時) (レス) id: 9795adedef (このIDを非表示/違反報告)
七海(プロフ) - 今日一気見したら、今年の映画っぽくてすご！って思いました！犬飼ちゃん降谷さん大好きです！！！ (2022年4月24日 23時) (レス) @page15 id: 9795adedef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：立夏
| 作成日時：2018年10月1日 22時
