44.桔梗色 ページ4
この子、本当にどうして俺に声をかけてきたのだろうか。
コードネーム持ちがこんな下っ端に用があるとは思えない。
やっぱりただの暇潰しのような気もする。
そう考えていると、彼女はひょこっと立ち上がる。
そして辺りを見回して、最初に腰掛けていた塀に飛び乗った。
｢あー、今日はそろそろ行かないとかなぁ｣
｢え｣
｢お兄さん、またお話しよーね。ここに来たら会える？｣
｢あ、はい…多分、時間が合えば｣
｢よかった、じゃあまたね｣
それだけ言い残して、シャトーは塀の向こうに消えてしまった。
猫みたいに気ままな子だな…
とりあえず気に入られた、と見ていいのだろうか。
それとも、怪しいと目をつけられたのだろうか。
うーん…どちらにせよしばらくここに通わないといけないな。
塀を眺めながら首を捻る。
と、後ろから足音が聞こえてきた。
｢おい安室、そろそろ行くぞ｣
｢…ああ｣
振り返ると、そこには共に潜入している景光。
頷いてから、彼に少し近づいて小声で話しかけた。
｢お前、シャトーってコードネーム知ってるか？｣
｢シャトー？…あー、一応噂くらいなら。ほら、ポーラーはわかるよな？｣
｢あぁ…そっちは聞いたことあるな｣
詳しいことは知らないが、そっちも組織のコードネームだ。
景光は少し周りを見てから、耳元で言う。
｢ポーラーの子供だって、どこかで聞いた｣
｢子供…？｣
｢信憑性は低いがな｣
…へえ、なるほど。
それが本当なら、あの年齢でこんなところにいるのも頷ける。
顎に手を当てて考え込み出した俺を、景光は不思議そうに覗き込んだ。
｢で？シャトーがどうかしたのか？｣
｢さっき話しかけられた｣
｢は！？嘘だろ！？なんで！？｣
｢そんなの俺が聞きたい｣
まぁでも、恐らくシャトーはまた近いうちに来てくれるだろう。
聞きたいことはその時聞けばいい。
彼女の狙いがわからない以上、警戒は解けないけど、俺は個人的にも彼女と話してみたいと心のどこかで思っていた。
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立夏(プロフ) - あかね。さん» 素敵なお言葉になんてお返しすればいいのかわからないくらい今すごい泣きそうになってます、本当にありがとうございます！実は私も当作品が1番気に入ってまして、今でも楽しんでくださる方がいるなんてとっても嬉しいです！長い間お付き合いありがとうございます！！ (2020年4月23日 0時) (
レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
あかね。(プロフ) - 何回目か分かりませんが、また読み直してしまいました。立夏さんのお話ほんと好きで、中でも狂犬が1番好きで、犬飼ちゃんと降谷さんがやっと掴んだ幸せに毎回涙します。素敵な作品をいつもありがとうございます！ (2020年4月22日 13時) (レス) id: 639a2702b7 (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - いるかさん» わぁぁ完結して随分立っているのに見つけてくださってありがとうございます…！本当に嬉しいです！最後まで読んで下さってありがとうございました！！ (2019年4月25日 0時) (レス) id: 4a977019e9 (このIDを非表示/違反報告)
いるか(プロフ) - 素敵すぎる小説すぎて涙が止まりませんでした。これからも、応援してます(´；Д；`) (2019年4月24日 16時) (レス) id: 8c81b6610f (このIDを非表示/違反報告)
立夏(プロフ) - ウツボカズラさん» 伏線褒めてもらえるなんて嬉しいです…！どちらも夢が叶ったハッピーエンドを無事お届け出来て安心しております笑 最後まで本当にありがとうございました！！これからも頑張ります！ (2018年8月11日 1時) (レス) id: 0fab2bc529 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：立夏
| 作成日時：2018年8月2日 19時
