41話 ページ14
*
『(やばい、やばい、やばい______!)』
明らかに、異常に心拍数が上がっているのが分かった。
呼吸が荒くなるが、両手を口に持っていきどうにか抑える。
少しの物音も建ててはいけない。
そうしないと、バレてしまうから。
私は薄暗い部屋の中、心の中でこう叫んだ。
『(こんなの原作に無かったのに!)』
*
______遡ること十五分前。
ママとのお話(愚問)が終わって、それ以外は別に普段通り過ごしていた私。
強いて言うとするなら、夜中に目が覚めてしまった、ということがいつもと違かった。
薄暗い部屋を霞む視界で、一通り眺める。
ベッドには可愛らしい寝顔がいくつか揃っており、こちらも自然と頰が緩んだ。
『(あー、ねっむい。いま、何時...?)』
まぁ。気にする必要もないか?と思い、ゆっくり瞼を閉じる。
と、同時に勢いよく上半身を起こした。
不意に感じたのは違和感。
寝起きの思考なのでしっかりと脳が働いてくれないが、数秒考えていたらその違和感の正体は直ぐに分かった。
『、ギルダっ?』
同い年の彼女とはベッドが隣であるため、幸運にもそのことに気がついた。
不自然にたたまれたシーツに、置き去りにされている枕。
そう、ギルダのベッドはもぬけの殻だったのだ。
『(...いや、目が覚めてお手洗いに行ったという可能性もあるか)』
念の為に、彼女が帰ってくるまで起きていることにした。
彼女達とは喧嘩中なのだが、私としては仲直りしたいと思っている。
まぁ、でもあちら側にその気は無さそうだが。
なんて考えている内に、既に数分は経ってしまった。
だがギルダは子供部屋に戻って来ていないし、帰ってくる気配も全然感じない。
何故か嫌な予感が頭をよぎってしまい、居ても立っても居られなくなった私はベッドから抜け出した。
『(出来るだけ早めに見つけて、部屋に戻ろう)』
足音を最低限の大きさにして、廊下を歩いていく。
前回夜中に迷子になったことを思い出して、一応カンテラも持った。
なので私の周りは、仄かに淡く明るくなっている。
壁に沿って歩みを進めること数分、案外目的の者は見つかった。予想していた人数では無かったが。
『ギルダ...それからドン、何してるの?そこママの書斎だよ』
ママの書斎の扉を開けていた二人に声をかけると、彼等は驚いたような表情でこちらを見てきた。
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あまね(プロフ) - 待ってます! (4月6日 17時) (レス) @page15 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
黒灰白有無%(プロフ) - 又拝読しに来ます.気が向いたらで構いませんので又更新して下さると嬉しいです!!コメント失礼致しました。是からもずっと大好きです応援しております!! (10月10日 13時) (レス) id: 1ab55170b6 (このIDを非表示/違反報告)
黒灰白有無%(プロフ) - 久し振りにと思い読んでみたら矢張り面白くて大好きです!!着眼点返品と謂う発想も迚も面白いく良いなと思もいまし原作改変は有りますが性格など想いを凄く上手く取り込めてて本当に凄いと思いました尊敬します!! (10月10日 13時) (レス) @page15 id: 1ab55170b6 (このIDを非表示/違反報告)
ぱー - 過去一と言っていいほど面白いです!!続き待ってます! (2023年1月2日 22時) (レス) @page15 id: 30234a0ed0 (このIDを非表示/違反報告)
匿名ちゃん(プロフ) - ああ、おもしれぇ((は? 更新再開してくださーい! (2022年7月9日 15時) (レス) id: 5fc4c4d6bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:スターフォロワー | 作成日時:2019年6月7日 22時