輩先生と純情びっち【鬼滅の刃】

（24）雨は嫌い ページ25

「頭痛い……」





空を覆う分厚く黒い雲を窓越しに眺めてため息をつく。


って言っても窓から近い席なわけじゃない。

漫画のヒロインみたいに窓際の席とかじゃなくただのモブ席。



雨が降ると頭痛くなるんだよね。


末端冷え性に加えて偏頭痛持ちって、体の端っこ弱すぎか。(わかりにくい)



おかげで胃は超丈夫でアイス3個食べてもお腹壊さないんだけどさ！！






「綾瀬！」


「びっ…くりした」


「教科書はどこへやったんだ！」





突然の煉獄先生はもうただのドッキリでしかないよね。



その猛烈な眼でこっち見られたら石にされた気分になる。


誇張してないよ！ほんとになるから！！




教科書を出すのを忘れていたらしい。

オール置き勉系女子だから忘れ物はしたことないんだよこう見えて。



机の中から端が折れ曲がってしまっていた日本史の教科書を取り出すと、煉獄先生は満足したように「うむ！」と声を張る。


頭に響くぅぅぅ！！




雨にはめっぽう弱い。



あ、別に雷怖いとかじゃないからね。


どちらかと言えば雷雨の方が一周回ってテンション上がる派だから。




天気悪くなったら膝痛くなるおばあちゃんとかいるじゃん？そういう類の方。





あー…これ無理だ限界感じる。


昨日も夜遅くまでバイトだったから寝不足も相まって起きてるだけでしんどい。





ごめん煉獄先生！と心の中で謝って机に伏せた。



いつもなら煉獄先生は寝ている生徒を見つけた瞬間自慢のクソデカボイス(褒めてる)で叩き起すはずだけど、スルーしてくれた。歓喜。




それではおやすみなさい煉獄先生！！！





＊＊＊






「起きろォ」


「……はっ」




殺気じみた声にハッと顔を上げると、いつの間にかクソデカボイスがデスボイスに変わっていた。



待って日本史終わったの？


てか教室誰もいないんですけど何故！





焦りに心臓バクバクさせながら時計を見ると4時間目の体育が始まっている時間だった。


焦った。とてつもなく焦った。


雨のせいで外薄暗いし本気で放課後まで眠り続けたと思った。





「な、なに？」





体育の授業出ないなんて当たり前すぎるから別に不死川先生もわざわざ呼びに来たりしないはずなのに。


私に目線を合わせるように、机越しにしゃがんでいる。



あー寒気してきた。夏なのに。


先生そんなに胸元開けて寒くないわけ？(ブーメラン)





その時、ひんやりとした感覚が額に走った。




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