輩先生と純情びっち【鬼滅の刃】

（2）担任はハズレくじ ページ3

「さっさと席につけェ」



その一声で、ガヤガヤうるさかった教室が一気に静まり返った。

鶴の一声ってやつ？怖っ。



「このクラスの担任になった不死川だ。

最後の高校生活だからってハメ外すなよお前らァ」



恐れられながらなんだかんだ人気があった先生(過去形)

スマブラ事件の後から、彼の周りに生徒が寄り付かなくなった。

なんかカナエ先生とよく話してるらしいから私の中では要注意人物。だってカナエ先生可愛いもん。




「出席取るぞォ。」



今まで自分の苗字を恨まなかったことはない。

だって、



「綾瀬」


「はぁーい」



出席番号１番率が高い。高すぎる。

だから最初の座席は一番右の一番前っていうこの世で最も面白くない席だし、基本なんでも一番最初だし。

……解せぬ。




「始業式の間どこに行ってやがったァ」


「体育館」


「袖に絵の具付いてんぞ」


「くっそ、あの輩先生…！」


「ほーん美術室な」




ハッ！として袖を見るも別にこれといった汚れはない。強いて言うならさっき画鋲に引っ掛けて少しセーターが解れたくらい。




「あーもう地獄だあー！」


「担任のことですか？」




私の様子を見てやれやれとため息をつくしのぶ。
私の大親友兼お世話係(宇髄に頼まれたらしい)




「新学期早々ハメられる私ホントに可哀想」


「不死川先生が担任なら、もう数学の単位落とすことはなくなりそうですね」


「そうそれが怖い」




数学だけ赤点のオンパレードな私にとって不死川先生は敵。


絶対「おい綾瀬ェ。放課後残れ」とか言うんでしょ?!

それでこの問題解けるまで帰れま10的なことさせられるんでしょわかってる。


ハイハイ、担任だったら自由が効くもんね。

ちょっと遅くなっても担任特権で「親御さんに電話〜」だもんね。



「げっ、トミセンいるじゃん」



ぱっと外を見ると渡り廊下を歩いて3年の校舎に向かってくるジャージ姿の冨岡先生。



「ごめん私先帰る！」



あの人に見つかったら本当に良いことない。


ネクタイちゃんと締めろ、スカートを切るな、ボタンを上まで止めろ、髪を染めるな……



「綾瀬」


「最っ悪…！」



はい始まりました鬼ごっこ。

このままとにかく正門まで走りきる！後ろを振り向くな！


生憎上靴のままだが仕方あるまい。



「よぉ、歩く校則違反」


「うざすぎ」



ひらりと手を上げる宇髄先生を交わし、校舎から飛び出した。




.

（3）公認びっち→←（1）問題児扱い

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す