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鬼に向かって振るった刃は虚しくも空を切った。どうして!?驚きの余り体制を崩してしまった。刀を勢いよく振り下ろしてしまった為そのまま地面に強く打ち付けられてしまう。刹那刀で攻撃される。慌てて守りの体制をとるが、右腕を引っかかれてしまい出血する。切断されたほどではないが浅くもない。少しでも血を止めるため腕を抑える。
アカネ(どうして避けられたの?動きを読まれた?ていうか・・・・・・刀?)
アカネ「・・・・・・師範!?」
鬼のいる方向を見ると私の記憶の中の姿と同じ、刀を構えた師範がいた。思考が
止まり、汗が流れ始め心臓も吐き出しそうになる。どうして?が止まらない。
アカネ(・・・・・・どうして、師範はもう・・・・・・)
私の目の前に立つ師範は記憶の中と同じように腕を組んで仁王立ちしていた。老いていた為背は
私と同じくらい、白髪交じりの長めの黒髪を一つに結んでいる。いないはずの師範が口を開く。
冬島「ああ?どうしたよ♪」
師範の声だ。野太い男の声。私を叱ってくれた、あの声と同じだ・・・・・・でも喋り方が違う。師範はこんな喋り方はしない。
冬島「今必死にその小さい頭回して考えてんだろ♪なぜお前の師範がここにいるのか、
さっきの鬼はどこなのかってなぁ♪・・・・・・これが俺の血気術なんだよ、お譲ちゃん♪」
間違いない、師範の中に鬼がいる。
冬島「血気術・酔生霊。嬢ちゃんはこれから大切な人の頸を斬らなきゃあ・・・・・・俺を倒せない♪」
私は、私を救ってくれた師範の首を・・・・・・・・・斬れるわけがない。背中を押してくれた師範を「斬る」だなんて。
冬島「かかってこいよ・・・・・・♪」
どうしても、その一手が出ない。気づけば視界が涙で歪んでいてよく見えない。
アカネ「こん、なの・・・・・・ッ!」
冬島「卑怯だってかぁ♪」
アカネ「!?」
目に見えない速さの斬撃が私を襲ってくる。師範の動きだ・・・・・・こんなの守る事で精一杯だ。私は師範に勝てた事など一度もなかったんだから。考えろ・・・・・・っ!相手は鬼だ!鬼なんだ!!
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作者名:ミミ、みあ@、黒魔霊歌 | 作者ホームページ:なし
作成日時:2023年4月14日 21時