▼告白の魔法 ページ47
退院してしばらくは、なんだか気まずい日が続いた。
2人とも勢いで"好き"だなんて言ってしまって、抱き合ってしまって……
『(き、きすまでしちゃったんですか……!?)』
廊下の真ん中でふと思い出して赤くなる私の横を、南雲くんが不思議そうに眺めて通り過ぎた。
『これからどうやって接すれば……?』
「にいな」
『わっ!!』
「……そんなに驚かないデ」
急に背中を触られて、冷や汗が一気に出る。
「ちょっと来テ」
なんだろう、と夏目くんの後ろを着いて行く。連れてこられたのは、人が居なくなって静かな2年A組の教室だった。
『えっと……どうしたの?』
「……あのネ」
そう言ってから、少しだけ間が空く。教室に夕日がさしてきて、夏目くんの真っ赤な髪が、さらに赤味を増す。
「……本当ハ、ライブの後にちゃんとした所で言いたかったし、病室でなんて申し訳なくテ……」
だかラ、その……と、言葉を濁す。彼の言いたいことはもう分かっている。
『……私も、同じ気持ちだよ』
「待っテ、ボクに言わせてくれないかナ」
言って、私の指をとって自分の指と軽く絡ませた。
「にいな、すき」
『私も』
今度は私が、夏目くんの手をぎゅっ、と握った。
『私も、すき……です』
真っ赤な顔をして、もう一度『すき……!』と叫んだ。
夏目くんは何秒か固まって、私のように赤くなりながら眉を下げて笑った。
「全然かっこよくなイ……本当に可愛イ」
可愛イ、可愛イ、と言いながら、おでこを合わせてくる。
『勘弁して……』
「可愛イ……♪」
握った手がするりととけたかと思えば、夏目くんは私の目を隠して、キスをした。
「"だいすき"」
教室が、あかく染まる。
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ぶるブルブルミちゃん(プロフ) - 推゙じが尊゙い゙っ゙っ゙!!!!!ぐうかわっ!更新頑張ってください (2022年2月11日 20時) (レス) id: 33d476be95 (このIDを非表示/違反報告)
みーぼー(プロフ) - ご丁寧にありがとうございます!!🙇🏻♀️私の理解力がなくて申し訳ないです💦素敵なお話ですね✨夏目くん推しなのでとーーってもキュンキュンさせてもらってます🥰ほんとにありがとうございました!! (2021年10月13日 18時) (レス) id: 038716753e (このIDを非表示/違反報告)
桜乃茜(プロフ) - みーぼーさん» はじめまして、コメントありがとうございます!実は主人公ちゃんが何気なく言った「あったかい」には、「あなたがそばにいてくれて私は幸せです」という意味があります。なので夏目くんは「ボクも幸せ」と言ったんですね!こちらも文章力がなくて誠にすみませんでした! (2021年10月13日 17時) (レス) @page19 id: a0b00e9326 (このIDを非表示/違反報告)
みーぼー(プロフ) - 初めまして!!急にすみませんっ💦 ぽかぽかの魔法のところ、私の語彙力がなくて理解できませんでした😭 主人公ちゃんは何を言ったのでしょうか?! とてもとても気になっております🙏🙏 (2021年10月13日 11時) (レス) @page19 id: 038716753e (このIDを非表示/違反報告)
桜乃茜(プロフ) - 冬枯さん» コメントありがとうございます!まじ逆先ってやつは俺たちを狂わせるのが好きだなぁ!?(())確定演出ですり抜けは最高につらですね……こちらは先程10連を引いたらお迎えしました!(自慢乙)これからも夏目くんとこの作品を好きでいてください!ありがとうございます! (2020年10月3日 21時) (レス) id: 8b70bc5459 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜乃茜 | 作成日時:2020年6月10日 21時