王と騎士とお姫様【月永レオ】 (ページ45)

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特別な日ページ45

「おお、A！うっちゅ〜☆今日も可愛いな！あっはははは！ん？おお！霊感(インスピレーション)が！？」

目の前で俺の宇宙が！と朝から叫んで奇行に当たり前のように走っている。

うっちゅ〜とはどうやら宇宙との挨拶？交信？らしい？
ジャッジメントが終わったあと、急速にあたし達は仲良くなり、朝は割とこの人と会うようになった。

行先は一緒なので、こんな事もあってもあたしは問答無用でこの奇人を引っ張っていく。

「うお！？なんだ！？誰だ、名曲が生まれるこの瞬間を邪魔するのは！？がるるるる！」

首根っこを掴まれてびっくりしたのか、降ってくる霊感(インスピレーション)を取り損ねて落としてしまったらしい？

『月永先輩、学校に遅れちゃいます。泉さんに、叱られますよ？』

「え〜、セナにガミガミ怒られるのは嫌だなぁ。あいつは俺のお母さんなの？それとも姑？あ、俺誰とも結婚してなかった！わははは☆」

『はいはい、このまま引っ張ってってあげるから、どうぞ、思う存分霊感(インスピレーション)とやらを書き留めてね〜。』

「ありがとな、A！大好きだ！！愛してるぞ！！」

『はぁい、ありがと。』

ライブを成功させ、勝利も収め、こんな風に軽くあしらえるくらいには仲良くなった。
この人のこともそれとなく、分かってきた。

いつも口から出る、大好きだ！と愛してる！は本当に純粋なもので突っぱねてしまう方が、なんだか彼に対して失礼だと思い、最初こそやめてと言ったものの今は気にしない。

首根っこをつかみ、ズルズルと引きずっていくと、珍しく1人ポツポツと歩いて揺れる黒髪を見つけた。

『おはよう、凛月くん。』

「んん、あ〜…おい〜っす女王陛下…♪王様も、おはよぉ♪王様引っ張るなら俺も引っ張ってって？おんぶでもいいよ〜？」

『今日は真緒くん居ないんだね？』

「ん〜、なんか、生徒会の集まりがあるんだって。ま〜くんからの情報、今日は特別な日なんだーって張り切ってた。」

『特別な日？』

「なんだなんだ！特別な日って戦か！？戦は得意だぞ〜♪」

いつの間にか作曲やめていて後ろから覆い被さってくる月永先輩は、凛月くんの姿を確認するとリッツぐぅてんもるげん♪と挨拶をする。

今度は宇宙語でも日本語でもなかった。

この後、嵐ちゃん泉さん司がたまたま合流をして、仲良くKnightsでのご登校となった。

特別な日。
それは"あたし達"にとって最悪な日。

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