王と騎士とお姫様【月永レオ】 (ページ14)

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お姫様と騎士の違いページ14

『あの、どこ行くんです…！？』

手を引かれて、そこそこ歩いた。

どうやら人目を気にしてるみたいで、コソコソとあたし達は学院内を歩く。

「あんたねぇ、そのまま教室戻るつもり？もう4限目も終わるけど。」

『えっ！？』

すぐさまケータイを取りだし電源をつければ、確かに12時を過ぎている。

タイミングを見計らったようになるこの学院のチャイム。
なんだか、どこまでも誰かのお城な気がしてならない。
革命が起きても、ここは僕の城だ、そう言わんばかりのオーラがあるの。

「ったく、しっかりしてよねぇ？折角Knightsに引き入れたのに、あんたまでクマくんの餌にされるとちょ〜困るんだけど？」

制服の襟元、血がついてる。とそういってティッシュで軽く吹いてくれた。
泉さんは面倒みがいい。

そーゆー所、お兄ちゃんみたいだ。

ガラガラーと、とある一室のドアを開ける。
すると、泉さんは、分かってたけどなんなのちょーうざぁい！？ってそこでダンダン！って地面を踏みつける。

「あの怠慢教師…あとで、覚えててよねぇ。こっちは俺らのお姫様が、怪我してるって言うのに。」

保健室。

あたしをテキトーに座らせて、絆創膏を外したかと思えば、消毒を始め、しっかり血が止まるまでガーゼを当てて、また新しく絆創膏を貼ってくれた。

「はい、これでいいよォ。」

『ありがとうございます、泉さん♪ お兄ちゃんみたいですね、面倒見が良くて。』

つい、思ってたことを口にしてしまい、しまった！と手を口で覆う。

確か、彼は自分が認めた人以外にお兄ちゃんって呼ばれるの嫌だったっけ？

風の噂でそんなのを聞いたことがあったあたしは、もー、とにかく焦る。

「お兄ちゃん、ねぇ？まあ、あんたに呼ばれるのは悪くないけどぉ？呼びたいならそう呼べば？なんたって、俺たちの"お姫様"なんだからねぇ♪」

それも悪くない。
そう言いながら、泉さんは何故か誇らしげにしていた。

"お姫様"

そう呼ばれるのは、嫌じゃない。

ただ、あたしも騎士なわけで。
お姫様呼びは、少々違う気がした。