Cinderella.52 ページ16
「っはぁ…。ほんと…チョ〜うざぁい…。」
"ねえねえ、嵐!!"
太陽のような笑顔、なびく琥珀の髪、揺れる深海の目
誰にも似つかない、儚くも芯の通った声
全部、俺が手に入れるんだと思ってた。
実際、1回だけアイツにキスだってしるし。
まあ当の本人はあれくらいじゃ気にも止めてないのかもねぇ。
「はぁ〜…。」
漏れるため息も今ので何回目？
授業中も、休み時間も、放課後だって何回も何回もため息をついては頭を抱えの繰り返し。
なんで俺がこんなに悩まなきゃいけないわけ？
アイツが本気で俺を拒まないことくらい知ってるし、あんな事口では言うけど居心地がよかったくらいだってのも知ってる。
あの女に乗せられて、思ってもないことを言ったのも知ってる。
俺が先輩なんだし、仕方なーく声をかければそれでいい済む話だったのに。
話をするどころか、合わない視線。
いつの間にか、近づくことすらなくなった。
たまに姿を見れば大抵なるくんが居る。
信じたくもない、受け入れたくもない事実は俺のやる気を削ぐには充分だった。
極め付きはさっきのAの態度。
"あ、瀬名…先輩。すみません、人違いでした。"
なんっなの、瀬名先輩って！？
前までは泉先輩だったくせに！
オマケになるくんは呼び捨てにしちゃってさぁ？
なるくんもなるくんだよねぇ？
すれ違いざまに、「Aはアタシが守るから」とか言い捨てて。
俺が悩んでるのも知ってたくせに。
「…なるくんを責めてもねぇ。俺、こんなに弱虫だったっけぇ？はー、うざぁい。」
なるくんは、アイツに手を差し伸べる勇気があったから。
俺にはそれが無かった。
何を知ってたってあの言葉に…さすがの俺も傷つきはしたし。
ただで許してやるつもりもなかった。
声をかけるのが遅くなっただけ。
可愛い理由だけど、作った溝は大きいんだから本当にめんどくさい。
俺は暇じゃないのにねぇ。
"なんだよ、セナ。最近元気ないなー？あ！もしかして宇宙人にアブダクションでもされて性格変わった!?ねえねえ、宇宙人どんな奴だった！あぁ、待って言わないで！妄想するから！"
脳天気なれおくんにまで勘づかれるくらい、俺は顔と態度に出てるらしい。
"泉先輩！泉先輩！"
今ここでアンタが頭に浮かぶとか最悪…。
チョ〜うざぁい。
愛しいものはもう手に入らない。
「戻ってきて欲しい…とか虫が良すぎるよねぇ」
アイツに向けて伸ばした手は虚しく空を切った。
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さゆな(プロフ) - 空麦さん» ありがとうございます！と言いつつ続編また出来ちゃいました...笑 これからもよろしくお願いします！ (2019年6月25日 23時) (
レス) id: b90089acae (このIDを非表示/違反報告)
空麦 - 元、麦ちゃんです♪続編おめでとうございます!!本当に、面白いです♪これからも、頑張ってください。応援してます！ (2019年6月24日 20時) (レス) id: ad939e8b4e (このIDを非表示/違反報告)
さゆな(プロフ) - 零さん尊いさん» ひええ！ありがとうございます！そろそろ終盤なんですー！頑張りまっす！ (2019年6月20日 20時) (レス) id: a613cbb65f (このIDを非表示/違反報告)
零さん尊い - 続きが気になります！無理をしない程度で頑張ってください！ (2019年6月18日 23時) (レス) id: f191d1a880 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さゆな | 作成日時：2019年6月17日 16時
