Cinderella.48 ページ12
「まんまとあの子の策略にハマったってわけねぇ〜…？」
『恥ずかしながらそうです…。』
泉先輩を怒らせてしまい、廊下にぽつんと残ったあたし達。
撮影時間まで酷いくらいに時間はあって、近くの休憩所でペットボトル片手にあたしは事の経緯を全て話した。
あぁ、情けない。
「それにしても随分とムキになったのね？」
『全部知ってるのよ…みたいな言い方が癇に障ったの…本当は…あんな事言うつもりなくて…』
じんわりと目元が熱くなって思わずこすってしまう。
後悔したって時すでに遅し。
どっかのアニメ映画で「1度出した言葉で一生の友達を失うこともあるんだ」と主人公が言っていたけれど、本当にその通りだった。
「あらあら、涙は貴女に似合わないわよ？…って言ってもアタシじゃ話を聞くくらいしか出来ないのよ…ごめんなさいね？」
『ううん、いーの。自業自得。言葉って厄介だね。今日ほど声が出なくなればいいって思ったことはないよ…。』
ぐすっと惨めに眉を下げれば、嵐くんは困ったように…苦しそうに笑った。
「アタシ嘘をついたわ、ごめんなさい。本当は話を聞く以外にも出来ることはあるの。」
『…？』
「ねぇ、Aちゃん。…アタシにしない？貴女の望む最高の王子様に、…アタシならなれるわよ。」
『えっ…？』
あたしはどこまで重く罪を重ねていくのか。
この時に、しっかりと断っていればまだ余地はあったのかもしれない。
でも、自分で傷つけたこの心には良い薬なのかもしれないと錯覚してしまったのは事実。
頬を綺麗な手で包まれて、コツンと額をくっつけられてしまえば、正しい道から逸れるには充分で。
「アタシは貴女を苦しませたりなんかしない。アタシを選ぶ事が、間違いだったとしても…それでも、その瞳に…鳴上嵐を映してほしいの…。」
『あ、嵐…くん…？』
頬に添えられた手はいつの間にか背中に回されていた。
そこで、毒されていくのにも気づいた。
離れなくちゃ。
そうしないと、もう本当に取り返しのつかないことになってしまう。
焦って近づいた体を突き放そうとした時だった。
"話しかけないでくれる。"
脳裏に過ぎたのは先輩の冷たい視線と乾いた言葉。
もうきっと、あの愛しい者を見るような視線を取り戻すことは出来ない。
「…それがAちゃんの答えなのね？」
『…っうん。』
あたしは自分が可哀想だと偽って彼の与えてくれる優しさに甘えてしまった。
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さゆな(プロフ) - 空麦さん» ありがとうございます！と言いつつ続編また出来ちゃいました...笑 これからもよろしくお願いします！ (2019年6月25日 23時) (
レス) id: b90089acae (このIDを非表示/違反報告)
空麦 - 元、麦ちゃんです♪続編おめでとうございます!!本当に、面白いです♪これからも、頑張ってください。応援してます！ (2019年6月24日 20時) (レス) id: ad939e8b4e (このIDを非表示/違反報告)
さゆな(プロフ) - 零さん尊いさん» ひええ！ありがとうございます！そろそろ終盤なんですー！頑張りまっす！ (2019年6月20日 20時) (レス) id: a613cbb65f (このIDを非表示/違反報告)
零さん尊い - 続きが気になります！無理をしない程度で頑張ってください！ (2019年6月18日 23時) (レス) id: f191d1a880 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さゆな | 作成日時：2019年6月17日 16時
