先輩×後輩=(？)【朔間凛月】 (ページ23)

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″____～！！″

″医療_____呼べ！″

騒がしい。一言で表せばそれが一番ふさわしかった。

体を起こし辺りを見回せば、腕章をつけた奴らがなにやらドタバタと走り回っている。そんな騒がしさの奥に見えるのは、あの子が明後日ライブをするという特設屋外ステージ。

今の時間、リハーサルか。

遠目にあの子が見えた気がした。よくよく見ればステージの上がやけに″汚い″

「ッ！」

そんな光景に嫌な予感を感じた。
立ち上がれば、立ちくらみがしたけれどそんなの関係なしにステージに一直線に走り出す。

途中、まーくんが「おい凛月！！」なんて言ったような気がしたけどそれさえもどうでもよかったのだ。

ただただ、目の前に広がる光景に周りの音が一気に小さくなっていく気がする

ステージの上には、崩れ落ちたと思われる機材の山。

″約束ですよ″

ああ、最悪だ。このタイミングでAの笑顔が頭をよぎるなんて。
こーゆー時の俺の勘は悲しいぐらいに当たる。だからこそ、背筋が凍った。

生徒会の連中が、貧弱そうな体で顔を真っ青にしてその山を掻き分けていく姿が余計に俺のことを締め上げてくる。

一際目立つオレンジ頭なんて、もう死ぬ間際みたいな顔をしていて、自身の手に血が滲むのなんてお構い無しでひたすらに名前を呼んでいる。

聞きたくない。耳に入れたくないのに。
足は一歩一歩とそちらに近づいていき、ついに聞こえてしまった

「A！！！！！」

幼さの残る太陽のような、王さまの声が痛いくらいに俺にまで届いた。大好きなあの子の名前を叫ぶ声。

どうしてこんなことになってしまったのだろう

後ろでは、転校生が涙を流しながらどこかに連絡を入れている。そんな転校生を、エッちゃんが背中を摩っていた。

「返事しろ！！A！！！！」

迫真の演技だ。
そう褒められるような現場だったらよかったのに。

「あ……」

機材の山の隙間から見えたオレンジ髪は、痛々しいほどに下敷きにされていて。
まるで生きていないかのように思わせるほど酷く青白くなった肌に、俺はいっきにそこへ駆け寄った。

「しっかりしてよ！！！ねえ！！！A！！」

ねえどうして

どうしてこんなことになっちゃったの