先輩×後輩=(？)【朔間凛月】 (ページ12)

今日:6 hit、昨日:22 hit、合計:74,585 hit

11 ページ12

*

『うっちゅっちゅ～☆』

｢はいはい、うっちゅっちゅーな？いらっしゃい、A。今日は2-Bになんか用か？｣

『あら、サリー先輩だ！珍しい！！』

あれから数日後の昼休み

当たり前のように俺達の教室にはAが来た

独特的な挨拶を軽く受け流して今日のお出迎えをしたのは俺の幼なじみのま～くん

珍しくま～くんが教室にいて何ならお出迎えまでしてくれたんだからAはご機嫌そう

すっごい可愛い笑顔で、癒してあげるー！と抱きついている
それをま～くんは満更でもなさそうに抱きとめていて頭まで撫でて更にはほっぺぷにぷにしていて

イチャつくなら他所でやってよね

次席に突っ伏して出来た隙間から横目で見て、俺は勝手にモヤモヤとした感情を抱いた

おかしいねぇ、たったの数回
あの子の相談に乗ってあげただけなのにこの有様

あーあ、やんなっちゃう。

ここに居たくない

そう思って顔を上げた時

『あー、やーっとでこっち向いてくれた。ずっと呼んでたのに反応してくれないんだもん…嫌われたかと思っちゃった。』

｢…は｣

目の前にはモヤモヤの元凶であるAがムスッとした顔で居た

え、さっきまで扉んところ居たよね？

わけも分からずただ目をぱちぱちとさせていれば、ま～くんが｢寝ぼけてんのか？｣と顔を覗き込んでくる

寝ぼけてるらしい俺は抑えきれない欠伸をひとつ出して、Aを正面から見つめた

｢…ｯ…なんか用？｣

数日前の事がパッと脳裏を過り、見つめていたもののすぐさま目を逸らした

お陰様であまりにも愛想のない、素っ気ない対応をA相手にしちゃった

『んー、特に用という用はない…』

顎に手を添えて、うーんと唸るA
じゃあなんのために俺のとこに来たの？

そう問えば

『話したかったから？』

と首を傾げた

｢ｯ！！！｣

サラリと肩から落ちる橙色の髪が色気と可愛さをより一層増させた

髪や制服から覗く首元にどうしようもなく噛みつきたくなる衝動をなんとか抑えようと俺は必死だった

そんな事に気づくはずもなくAは『凛月先輩？』とグイグイ顔を近づけてくる

やめて、目のやり場に困るから

まあそれもお構い無しに距離を詰めてくるA

流石の俺も我慢の限界でスっとAの首に腕を伸ばして引き寄せひと噛み

『いたっ！？』

｢あんまりオイタが過ぎると…襲っちゃうよ？｣

*