【暗殺教室】お友達の作り方４ (ページ36)

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お疲れ、と労いつつ手渡すのは、先程まで代わりに片付けていた仕事だ。

「半分は終わったから」

「助かる」

素直に受け取る彼に苦笑していると、浅野くんからの視線を感じ溜息をつく。

意外と彼はしつこくて強情らしい。

そういう私も、彼に言われたからといって意見を変える気はないが。

「まだ言う気？」

「さっさと言えば良いだろうと思っただけだ。
言う気はなかった」

肩を竦めた浅野くんに、思わずよく言うわと苦笑い。

「結局言ってるじゃない」

話の核をぼかした会話に、今度は赤羽くんが首を傾げる。

それから向けられた視線になんだか居た堪れなくなり、鞄から財布を取り出す。

「……自販機行くけど、何かいる？」

こういう時は逃げるに限る、と2人に尋ねるが、特に必要は無いと返事が帰ってくる。

私も正直必要ないが、逃げる為の口実としては十分に有用だ。

「じゃあ、行ってくる」

そう告げてからそそくさと教室を逃げるように出る。

余計な事は言うな、とだけは目線で釘刺しておいた。

自販機までの少しだけ長い距離を歩きながら、浅野くんが言っていた事を思い出す。

「壊す勇気って、必要なのかなぁ……」

繕わない口調で呟いたそれは、誰に言うでもなく廊下に消えていった。