スキになったら負け！2【Hirano.S】 (ページ7)

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episode53 ページ7

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「へ…？」

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目を細めて私の顔を睨むように見つめる紫耀くん。

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私の頰に添えた手に少しだけ力を込めると

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「顔赤いもん、目うるうるやもん。」

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半分呆れたようにつぶやいた。

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「だっ…大丈夫だよ全然っ！」

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そう言って紫耀くんから離れようとした矢先に

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そんな高いヒールじゃないのに
カクンと足元がぐらついて

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「…あぶなっ」

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間一髪ひっくり返る手前でまた紫耀くんの手の中。

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「すげー紫耀、ゴリラじゃん！」

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「やっぱかっこいいよな、強い男は」

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「映画のワンシーンか思ったで。」

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そっと立たせてもらうと
いつのまにか扉の隅には頭が4つ並んでて

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「あっ…」

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いつぞやのパーティー以来に
メンバーの皆さんを前にしてオドオドしてたら

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「A？大丈夫？」

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背後から声がして

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「なかなか帰ってこないから具合でも悪くなったのかと…えぇ？」

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声の主はもちろん瑠奈で

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紫耀くんに抱えられている私、

そしてそれを見つめる4人…

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それが誰かすぐに気づいたようで
大きな目をさらに大きく開いて

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「うちのAが失礼しました？！…ごめんなさい！」

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何を勘違いしたのか
私の手を引くと

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「ほらっ、Aも謝って！すみません、では！」

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席に戻るようにとさらにぐいぐい引っ張ってくる。

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友達にも本当のことを言えないのは心苦しいけど

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運よく勘違いしてくれた瑠奈に乗っかって

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「いえいえ、お気をつけて」

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うまく他人のフリして会釈した紫耀くん。

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「ちょっと！A何したの？さっきの子たち芸能人だったよ！ジャニーズの！」

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席に戻ったら瑠奈に
芸能人に失礼したんじゃないかと責められたけど

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「ちょっ…ちょっとぶつかってよろけちゃったのを助けてくれただけだよ。」

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まさかこんな偶然があるなんて…

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「もうっ。旦那から有名人も来るって聞いてはいたけど、まさかジャニーズクラスが来ると思わないから心臓止まるかと思った。」

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アセアセしている瑠奈に「ね〜」なんて相槌をうちつつ、

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ピコンと光るスマホの画面を覗いたら

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“絶対タクシーでかえること！”

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だって。笑

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