スキになったら負け！2【Hirano.S】 (ページ21)

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episode66 ページ21

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「仕事でどんなに疲れても俺はAさんに会えて、Aさんは俺に会えるの、良いと思う！」

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紫耀くんは「ね！よくない？！」って
無邪気に笑っているけど、

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そりゃあ…

いいよ…？

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一緒に暮らせば、デート終わりにバイバイする寂しさも無くなるし、

仕事が忙しくてなかなか会えない時でも
少しでも顔を合わせる時間ができる。

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でも、ね？

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「そんなことできるの？」

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出会った頃Jr.だった紫耀くんは

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その頃にはもうデビューを果たしていて

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紫耀くんのことを知る人がグッと増えて

今までにないような大きな仕事をもらってきて

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すごく大事な時期だと思った。

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私が聞くと紫耀くんは
ニッとわらって

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「もちろん、許可はもらっとるよ」

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私がそうやって聞くことは想定済み、とでもいうように言った。

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「許可って…」

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「事務所の許可。もちろん今まで通りに一緒に人目の多いところに出歩いたりとかはできないけど…でも今よりずっとセキュリティの良いマンションに引っ越すことを条件に同居は許可もらった！」

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その頃紫耀くんが住んでいたマンションも
すでにその年頃の子が住めるようなマンションではなかったのだけど

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「だから俺プライバシー面で最強のマンション探す！それでAさんの安全も守る！」

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紫耀くんの意志は硬くて。

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1ヶ月も経たないうちに
駅近で、低層部を塀に囲まれたプライバシー保護ばっちりの高級マンションを探してきて

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「ここならAさんが仕事の帰りに駅から歩いてもすぐやし、エントランスからオートロックまでが少し離れてる上に塀の向こうやから出入りも気にしないでええし、大丈夫！」

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自信満々にマンションのパンフレットを私に渡してきた。

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紫耀くんより長く生きてきたけど
もちろん同棲なんてしたことなくて

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「…ありがとう。すごいね」

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嬉しい反面、すごく緊張もした。

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でもそうと決まると
トントン拍子で紫耀くんの事務所の方がマンションの入居手続きを済ませてくれた。

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私も両親に同棲のことを伝えて、

相手に会わせて、と言われたのはとりあえず保留にしちゃったけど

なんとか各方面の許可を得て

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「今日からよろしくお願いします」
「こちらこそお願いします」

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高層マンションのバルコニーで
紫耀くんと飲めないお酒で乾杯した。