スキになったら負け！【Hirano.S】 (ページ30)

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episode28 ページ30

※大分遅くなりましたが紫耀くんの誕生日のお話です( ; ; )

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今日は紫耀くんの22歳の誕生日だ。

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つい数日前に長い舞台を終えたばかりなのに、
人気者なことに変わりはなく
ハイ！お疲れ様！お休みしてね！とはならなくて

少し体調悪そうに
今朝も玄関を出て行った。

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今年その日は平日で

私も昼間は仕事してきたんだけど

「今日はそれでも早く終われそう」

そんな風に言ってた彼に合わせて
頑張って定時上がりで帰ってきたところだ。

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帰り道で買ったケーキには
【しょうくん、おめでとう】のプレートをつけてもらって

気合いを入れてご馳走も作った。

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こんな歳でどうかな……とも思ったけど
紫耀くんの誕生日だし！って言い聞かせて
部屋の中も飾り付けて、

「ただいまー」

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そんな声が聞こえたのは
結局20時を過ぎた頃。

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「おかえりっ」

ドアを開けたら、

「うわっ、びっくりしたっ」

飾られた部屋を見て目を丸くして

「すげー！！可愛い～！！」

くるくる回りながら部屋を見渡して

「これAさんがやったの？！全部？！」

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キラキラの笑顔で私をみた。

私以外に誰がいるのよ…

可愛い姿に
思わず笑いそうになるけど

「そうだよ！ケーキもあるし、ご飯もがんばった！」

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そう言ってテーブルに広げた料理たちを
ジャーンって見せると

「すげー！！！本当にすげー！！」

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大きな身体を軽々弾ませて
わかりやすく喜ぶから

「ちょっと、紫耀くんあぶないって……わっ！」

勢いあまって私ごとソファにダイブ…

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「…しょーくん？」

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さっきまでピョンピョンしてたのに、
ソファに埋もれ、私を抱きしめたまま動かなくなった紫耀くんの顔を覗き込むと

やっぱり“嬉しい！！”って顔して微笑んでいて

「マジですっげー幸せ。」

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掠れた声で、
噛みしめるように呟くと

「Aさんありがと。」って
真っ直ぐ私を見つめてから軽くキスを落とす。

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「…さっ！早く食べよ！」

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いつにも増して愛情表現爆発の彼に
途端に恥ずかしくなって

テーブルの上の料理をお皿に取り分けると
「うまーーーい！！」

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大げさにいうもんだから…

「そんなに喜んでくれると、作った甲斐があるよ笑」

嬉しくなって彼の頭をそっと撫でた。