【ヒロアカ】スカートの中から始まった感情【轟焦凍】 (ページ43)

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その後は意外にも目立った怪我をする事無く進んで行った。
と言うより引き分けの切島君とB組の鉄哲徹鐵の試合以外は短期決戦だった。

一番困ったのはキャパオーバーした上鳴君の怪我の確認が出来なかった事。

そしてつい先程、お茶子ちゃんと爆豪君の試合が終わった。
私はインカムにスイッチを入れて喋りながらも走る。

「お茶子ちゃん…！」

搬送ロボに運ばれていた彼女の姿を見てロボを止める。
更に近づいて先程切ったばかりのマイクのスイッチを再度入れた。

「擦り傷が多く、倒れたものの異常は特に無し。
　体力の事を踏まえるとこちらで処置した方が良いかと…」

「≪ん。処置をした後、念の為に私の所に搬送事だね≫」

「解りました。」

スイッチを切った後に私はすぐ救急箱から布と薬を取り出す。

きっと彼女は先程の戦いで体力を消耗している…
だから違う副作用を持つものの体力を消耗しない薬にした。

全身全霊そう言っても良い程に健闘したお茶子ちゃん。
惜しくも敗退してしまったが良い経験になったのは間違い無い。

汚れを拭き取り薬を塗り始めた頃に彼女は目を覚ました。

「あ…れ…？Aちゃ、ん…？」

「安静に。とりあえず薬を塗るけど頭とか痛くない？」

割とすぐに私に気づいた様で起きやがろうとする。
それを止めて私は本人に直接気分を聞いた。

「うん、頭は……」

「そっか。他に何かあったら遠慮無く言ってね」

私はそう言って淡々と薬を塗って行く。
スゥーと消えて行く傷を見て安堵しながらもその作業を続ける。

「ねぇ、Aちゃん…」

「どうか、しました？」

「…私、負けちゃった……」

その時、私は初めてお茶子の弱々しい声を聞いた。
本来なら言葉を選ばなければ行けないのだが…

「うん。でも、格好良かった……凄く…」

私はただ本音を吐き出していた。

「そっか。うん……なら良かったかも…」

力無く笑う彼女の笑みに私もただ笑い返した。