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35話 ページ41

「五条せんせに会いにきただけなのにぃ」



直哉くんを担いでるせいで、呪術師からの視線がとても痛い。

悪気はないんです、直哉くんが喧嘩売ってきたから。



「はぁ、どこにいんの」



ボソボソと独り言を言いながら、ゆっくり歩く。

蠅頭はいなくとも自然が多いせいで虫がたくさんいるけど、別に私には寄ってこない。

虫の認識能力? にも呪霊は引っ掛からないのかな。



「とりあえず当初の予定通り伊地知さんとこ行くかな」



片手で担ぐのもなかなかしんどいので、おんぶに変える。

絡新婦(じょろうぐも)”で脇の下に腕を生やして、これで両手が自由になった。



魂の玉(これ)食ったら、直哉くん私の手下になるのかな」



美味しくなさそうだからやらないけど、コロコロして遊ぶ。


伊地知さんの気配がある部屋の前に着き、玉を持ってない方の手でコンコンとノックする。

伊地知さんと他に一人、客人が来てるみたいだけど気にしない。



「……?」



反応がないのでもう一度ノックする。

別に今までみたいに勝手に入ってもいいんだけど、客がいるなら多少は弁える。


なのに、ドアが開くどころか中から返事も無い。



「伊地知さーん? おかしいな、絶対ここなのに……あ、開い、


…ぶへっ」



扉が少し開いたと思ったら、さっきの直哉くんのときのようにまた何かに顔を殴られてよろける。

一瞬思考を巡らせる。

攻撃に前触れなし、本当にさっきと一緒。
でも直哉くんは私の背で死んでるから違う。

部屋の気配が一個消えてる。


ということは。



「禪院は拳で挨拶するタイプの血筋なの?」



気づかぬうちに私の背後に立っていたおじいちゃん、禪院直毘人に振り返った。

直毘人さんは酒を片手に、自分は酔っ払いながらも目は私を真っ直ぐ見つめていた。

殺意マシマシで。
これは…体験型陀艮…ってコト!?(?)



「呪霊が、御三家を知っているのか。この世界にどこまで踏み込んでいる?」

「ズブズブです」



この世界で私だけが知ってる、未来の話も。


私は直毘人さんから逃げるように伊地知さんの後ろに隠れた。



「え、えっ!?」

「たすけて伊地知さぁん、あのおじいちゃんもコイツ(直哉)も出会い頭に顔面を殴ってくるの」



なんてふざけるが伊地知さんは困るだけなので、ひとまず直哉くんをソファに下ろして直毘人さんに向き直った。


かっこいいなぁ。

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翡翠(プロフ) - まるめんさん» ありがとうございます!めちゃくちゃ嬉しいです (9月9日 16時) (レス) id: dbd7e88ded (このIDを非表示/違反報告)
まるめん - 夢主イメージイラストうますぎません???お話も面白いです (9月9日 15時) (レス) @page19 id: 17d5d6def1 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 茨の谷の第二王子さん» コメントありがとうございますm(_ _)mすみません、その作品は存じ上げないですね…! (2022年4月20日 15時) (レス) id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)
茨の谷の第二王子 - 青龍、玄武、白虎、朱雀って「異世界で神獣にハメられました。」で見たぁ! (2022年4月20日 0時) (レス) @page33 id: d096c6aa19 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - ノアさん» コメントありがとうございますm(_ _)m一日一話がんばります! (2021年12月27日 19時) (レス) id: 5d748230e5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:翡翠 | 作成日時:2021年11月15日 1時

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