【呪術廻戦】呪霊に転生したらしい。【1】

22話 ページ28

「面白いね〜君。高専入らない？」

「なんでだよ」



人間として転生してきたならばとても魅力的で嬉しいお誘いなのだが、お生憎様私は呪霊だから。



「それは断る」

「え〜残念だなぁ。僕の生徒達とも仲良くなれそうなのに」



今は2017年の2月。
ということは、高専にいるのは秤金次とか、いるかも分からないが秤の同級生か先輩方だ。

今年二年組が入学してくるけど、今は別に会いたい人はいない。



「私は自分が仲良くなりたいと思った人だけと仲良くするからさぁ」



私の本命は呪霊ですけど。



「僕とは？」

「まぁ仲良くしてあげんでもない」

「グッドルッキングガイ五条悟に惚れちゃったかな？ 残念だけど、僕呪霊には興味ないんだよね」

「狙ってねぇ〜〜」



茶番はさておき、そろそろ縛られている腕が痛んできた。

おそらく呪力を制限されているせいで痛覚が復活している。
ついでに無防備な姿を晒し続けているから居心地が悪い。



「で、本題は？」

「はいはい。と言っても別に今ここで話すことはないんだよねーとりあえず拘束しただけだから」



ビシッと私を指差す。



「君の言うことが全て本心なのは話してて分かったから、もう出てっていいよ」



五条先生が指を振ると、腕に絡んでいた縄が消えた。

解放された腕には痕が付いてたけど、呪力も解放されたのですぐに治った。


プラプラと軽く振って感覚を取り戻す。



「それでいいのか呪術師」

「あ、でも一つだけ。

君の他に仲間とか……いるのかな？」



五条は声のトーンを下げ、口角を上げる。

ウーン、これは。



「仲間っていうと呪霊だよね。いないよーこんな理性持った呪霊が私以外にゴロゴロいてたまるかっつの」



真人のことは隠す。
ごめんね、ここで話すほど私はバカじゃない。

五条先生になにも警戒されてないのは意外だった。一応漏瑚みたいにボコボコにされる覚悟はあった。抵抗はする。



「本当に？」

「本当に。
…これから出来たとしても報告なんかしないよ」

「別に吐かせるだけだから」

「怖い怖い」



解放されたはいいけれど、出入口は見当たらない。



「どやって出んの？」

「僕に掴まって」



ほら、と両手を広げるので、折角だから素直に正面から抱きついてみた。



「うわ」



二人して声を上げた。

身長が変わらないから顔が激近すぎて、お互いに驚いた。


事故ちゅーでもしたら全国の五条の女に殺されてしまう。

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