【呪術廻戦】呪霊に転生したらしい。【1】

18話 ページ24

「あなたが伊地知君の言っていたAさんですね」

「いや攻撃しながら話さないでよッ」



ナナミンの攻撃を呪力で受けつつ避けつつ、話を聞く。

違うことをいくつも同時進行するのって難しい。ナナミンがわりかし強い術師だから尚更。


伊地知さんのことだし、五条先生以外にも私のことを伝えてるだろうと思っていたけど、ナナミンも知っていたらしい。

ではなぜこんなにやる気満々なのか。

答えは簡単だった。



「五条さんは貴方を生かして利用しようなどと考えているようですが、私は反対です。

貴方がどんな考えを持とうとも呪いであり、我々呪術師の敵となる存在です。それは貴方も重々承知でしょう」

「そりゃ…そうだけど」



呪霊だから呪霊ズと仲良く出来るよヤッター
なんて思う反面、逆に呪術師側とは敵対してしまうので、少し寂しさがある。

ナナミンは反撃せず受けるだけの私に容赦なく術式を使ってくる。



「まだ上には貴方の存在は伝わっていない。
ですが伝わり次第討伐任務が与えられるでしょう。それも五条さんのような特級の方々に」

「怖いね。うわっ」



今度は左腕を落とされた。

すぐ治るし痛みも無いとはいえ、心臓がキュッとなるからやめていただきたい。



「上のやり口は嫌いですが、私はあくまで規定側です」



待って待って待ってストップ
そのセリフめちゃくちゃ聞いたことあるッ

虎杖とご対面のときのやつだッ！

でも分かってたな、虎杖のときも最初は生かすことに反対してたし。



「話が長くなりましたが、要するに私は全力を持って貴方と戦います。たとえ貴方がそのまま無抵抗でも、です」

「…バレてた？」



話し終わってすぐ、ナナミンの手数が増えた。

私はナナミンと戦いたくないしうっかり殺すのも絶対にあってはならないので、反撃しようにもできない。



「ナナミン、片手で私に勝てると思う？」

「私の術式は対象の長さを線分した時、7:3の比率の点を強制的に弱点とするものです。全長から各部分(パーツ)まであらゆる箇所を指定できます」



突然始まる術式の開示で、ナナミンの呪力が増えた。

今は昼時、時間外労働にはならないようで、そちらで呪力が増える心配は無かったが。



「本気だね…どうすりゃいいんですかね」

「貴方はそのままにしていればいい。祓います」

「嫌だよ！！」

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