片目が義眼の転校生は...【名探偵コナン】

Give＿27 ページ30

快斗side





「俺にあてに客？」

「えぇ。現在客室においでです」




良く晴れた休日、昼頃まで寝過ごしやっと起きたところだ



スウェットのまま階段を降りていれば寺井から来客だとの報告



誰だと思いつつ降りかける階段から足を引き戻し自室に戻って着替える






「お待たせしてすみません」



堅苦しくなく、それでいてラフ過ぎない服装で客室へ顔を覗かせれば＿＿




思わず客を見てギョッとした





「...いや、急に押し掛けてすまない」




全身真っ黒の長身男


長い銀髪がさらりと揺れる


片目は流した前髪で隠れていた





「あっ...と、黒羽快斗と言います」



「あぁ...この期に及んで失礼だがこちらの名は名乗れない。無礼を許してくれ」



「えっ、あ、ﾊｲ」





えっ、誰ーーーー？？？


いや、あの、誰ですかーーーー？？？



俺こんな堅気に何かしたっけ。やっべ全然心当たり無いんだけどどうしよ



えっ何ここでコロっちゃう？？死んじゃう？？？寺井なんでこんな人通した？？？



今ならどんなキャラでも通る気がしてきた





「＿＿妹が世話になった」


『えっ妹？？』




俺こんなヤバそうな人の妹に何かしでかしたのか。死んだな。身をわきまえろ





「...黒澤Aと言うんだが」


「黒澤...A...」




黒澤......A......




＿＿っああ！！思い出した！！！あのちょっとサイコパス入ってる小１か！！！そうだな泊めたんだったな！！！




あれ、ちょっと待てよ



...妹？？？




「え、おにい...」




思わず出掛けた言葉を咄嗟に閉じた



多分言ったら今度こそコロッて行くやつ



サイコパス妹の兄は堅気(見た目)か。なんか納得




「...ほんのお礼だ」



そう言って何やら背後からｽｯて取り出したもの一つにさえ肩を震わせた



「これは...」


「菓子だ。安物ですまない」


「あぁ！！？いいえ全然！！！わざわざすみません！！？！？」





差し出された紙袋を受け取る



あっぶね札束入りのジュラルミンケース渡されるのかと思った



菓子折り持ってお礼とか律儀過ぎじゃね？見た目で損してるだろ。堅気とか思って申し訳ない




「これで失礼する」


「わざわざすみません、ありがとうございました！！」



玄関先まで送り、扉の向こう側に消えたのを確認して汗がどっと吹き出た

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