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「チッ…んだよ、邪魔しやがって。」
「三途…ふざけんなよ。」
「あ゛?まだテメェのもんじゃねーだろ??」
目の前で行われるやり取りを裸のままぼーっと見つめる。
なんで竜胆怒ってるんだろう。
三途さん邪魔されて不機嫌じゃん。
まあそうだよね。後少しの所だったもんね、あれじゃ可哀想。
「お前とりあえずこれ着ろ。」
スーツのジャケットを肩にかけられ竜胆の匂いと、ほんの少しの煙草の香りが鼻腔をくすぐる。
「三途さん、続きはまた今度…」
「は!?こんの、アホ!!」
軽く叩かれて早く来い、なんて腕を強く捕まれ部屋を出る。
しばらく廊下を歩いたところで、手首がじんじんとしてきてしまい、「そろそろ離して、痺れる。」と告げると舌打ちをしながらも「悪ぃ」なんて言いながら離され向かい合う。
「怒ってるの?」
「あぁ。」
「ごめんね、殴る?」
「は?殴らねーよ馬鹿。」
今までは気に入らないことがあるとすぐ殴られていた。だから目を瞑って待つも、いっこうに衝撃は襲ってこないし、なんなら私の顔は竜胆の胸に埋まっている。
「…自分の体、大事にしろよ。」
「大事にするってのがよくわかんない。」
「他の男に抱かれんな。キスもダメ。こういうのも、俺以外とはすんな。」
「?…竜胆とだけすればいいの?」
見上げると、少し赤く染った顔。
見んじゃねぇ、なんて顔を背ける姿に何故か少しだけ心が暖かくなった。
◇
◇
「いやお前…今日も一緒に寝るのかよ。」
「え、だって竜胆とはいいんでしょ?
でも駄目なら蘭さんの所に…」
「駄目なんて言ってねーだろ。……来いよ。」
自室にてシャワーを浴びベッドへ入ったはいいものの、やはり落ち着かなくて。先程まで時を共にしていた竜胆の部屋へと訪れればまたかよ…なんて呆れられるも拒否はされない。
おじゃましまーす、なんて彼より先にベッドに入る。軽くため息を吐きながら隣へと来る竜胆に擦り寄って足を絡ませた。
「おやすみ、竜胆。」
「…………あぁ。」
「?…眠くないの?」
「お前のせいでな。」
いいから早く寝ろ、なんてぐっと抱きしめられて。
竜胆の胸から聞こえてくるのは、あの時と同じうるさい心音。
また怒られてしまうから言わないけど、
この音が、私の安眠材料だったりする。
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睡魔ちゃん(プロフ) - チョコプリンさん» こちらにもコメントをくださりありがとうございます。とても嬉しいです。いつか番外編のようなものが出せたらいいなと思っています!! (2022年2月18日 23時) (レス) id: 0343b2f4d3 (このIDを非表示/違反報告)
チョコプリン(プロフ) - コメ失礼致します💦好きな子を一途に大切に思っている竜胆に惚れました…いい味出して下さるお兄様も最高です🥰素敵な作品をありがとうございます! (2022年2月15日 11時) (レス) id: e53e09d499 (このIDを非表示/違反報告)
肯定ぺんぎん(プロフ) - 睡魔ちゃんさん» 睡魔ちゃん様が私のお話を読んで頂いていたとは…感無量です!!身に余るお言葉、本当に嬉しいです。新作、早速お気に入りさせて頂きました!更新お互い頑張りましょうね! (2022年2月6日 22時) (レス) id: c944845778 (このIDを非表示/違反報告)
睡魔ちゃん(プロフ) - 肯定ぺんぎんさん» はじめまして、コメントありがとうございます!貴方様のお話、読ませていただいております!私とは比べ物にならないくらいの語彙力と表現力に仰天しました。お互い執筆頑張りましょうね! (2022年2月5日 19時) (レス) id: af7842152a (このIDを非表示/違反報告)
肯定ぺんぎん(プロフ) - 睡魔ちゃん様、はじめまして。初コメ失礼いたします。最初からずっと読ませて頂いておりました。まっすぐ愛してくれる竜胆に心を溶かされました…素晴らしい作品に出会えて嬉しいです。完結お疲れ様です!次作も楽しみにしております! (2022年2月5日 11時) (レス) @page30 id: c944845778 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:睡魔ちゃん | 作成日時:2022年1月19日 20時