青緑色とベッドと.3 ページ7
「さて。俺の素性もわかった事だし信頼して話して欲しいな。どこがどういう風に痛い?」
『お腹がその、痛くて』
「理由は分かる?」
『えっと……』
月のものです、としりつぼみになりながら言うとあ〜と言いながらペ神はその場を離れた。
うぅ、恥ずかしい……
しばらくするとペ神が何かを手に戻ってくる。
私が持ってた湯たんぽとあれは……注射器?
注射器を片手に腕出してくれる?と言われ袖を捲ると消毒をされ何かを打たれた。
さすがに変なものではないだろうけど正体がわからないそれに不安になってペ神を見ると安心して、と言って微笑まれる。
「これ鎮痛剤。月のものに効くかは分かんないけど多少はマシになるはずだから」
『すみません……』
「あとさっき湯たんぽ持ってたでしょ?お湯入れ替えたから使ってね」
『あ、ありがとうございます……』
はい、と渡された湯たんぽをお腹に当てるとじんわりと温もりが腹部に伝わる。
しばらくここで横になっててね、と言われそのまま言葉に甘えることにした。
ぽかぽかと温まる腹部に自分の体温も相まって温まる布団の中、加えて静かな空間。
ペ神は何も言わず、けれどまだそこに居る。
話さなきゃ、とか沈黙が怖い、とかそんな事はなくてむしろ静かな空間がただ心地いい。
温かく静かな状況が段々目の前を真っ暗にさせてくる。
しばらく、と言われたしある程度したら部屋に戻ろうとしていたため寝ては行けない、と睡魔と戦っているとペ神の手が私の頭に伸びてくる。
「眠い?寝ててもいいよ」
『でも……』
「大丈夫大丈夫。ベッドは他にもあるから」
だから、ね?と言われながら頭を撫でていた手は私の目元へと移り、瞼を柔らかく閉じられ、反対の手で優しくぽんぽんと叩かれる。
なんだか小さい子供になった気分だ。
自分の小さい頃を思い出しながら私は夢の世界へと旅立った。
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.*桜餅*.@柿の種軍団_副団長(プロフ) - 凄く面白くて、最初から一気に読んでしまいました!私も作者やってますが、こんなに素敵な作品作れません…!体調に気を付けて更新頑張って下さいね!応援してます! (2021年1月10日 22時) (レス) id: 61b4604950 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 低評価荒らしでしょうか…?反抗するためといってはなんですが、星10を押させて頂きました、これからも応援してます!頑張ってください! (2020年12月15日 23時) (レス) id: e30e1010c9 (このIDを非表示/違反報告)
蓮 - 続編おめでとうございます!!とても読みやすくて好きです!更新頑張ってください!応援してます! (2020年12月14日 1時) (レス) id: dc1a08746a (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅ィ(プロフ) - 続編おめでとうございます!!これからも楽しく読ませて頂きます!( ̄^ ̄)ゞ (2020年12月6日 15時) (レス) id: a969f38b6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:螢 | 作成日時:2020年12月5日 20時