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第十話 本番 ページ10

Aside


「じゃあ次沖田と神楽の喧嘩に白雪が巻き込まれるシーン!」


よーいスタート!!の声と同時にでカチンコの音が響き渡る。
撮影が始まる合図だ。


「お店の前、掃除してきます!」


よろしく〜、と返した店長にはーい、と応えてお店から出る。


常に綺麗にしておかないと、お客様は入ってこない。


それは店長から教わった心得だ。


お店の様相を綺麗にするのは勿論のこと、おもてなしする私たちの心も綺麗な状態で接客すること。


「わあ!いい天気!……あれ?」


外に出ると空は快晴で空気もすっきりしている。


そこに聞こえてきたのは神楽ちゃんと沖田さんが喧嘩している声。


仲良いなぁ、神楽ちゃん羨ましい。


けれども、2人が絡んでいるのを見るのも騒がしくて楽しい。


自分は自分で頑張らなくちゃ、と神楽ちゃんに嫉妬しそうになるのを抑える。


「さ、掃除掃除!」


二人のお互いを罵倒し合う声を背に掃き掃除を始める。


一通り掃除し終わって、水を撒こうとしていた時。


「白雪!!」


「危ないアル!」


突然二人の焦る声で名前を呼ばれる。


どうしたのかと顔を上げるとそこにはこちら目掛けて飛んでくる岩。


なんであんな大きな岩が飛んでくるの!?


突然の出来事に慌てふためいて、頭では避けないと、と思っているのに体が動かない。


迫り来る岩を前に目を閉じることしかできなくて、恐怖を感じながらも衝撃を待つ。


けれども、衝撃は来ず代わりに聞こえてきたのは何かを斬る音と、大きな物が落ちて地面が揺れた音。


恐る恐る目を開けるとそこには茶髪に軍服を着た見慣れた背中。


「沖田さん!?」


「白雪……怪我はねェですかィ」


「はい!沖田さんが助けてくれたので……!」


「白雪ー!大丈夫アルかー!?」


「神楽ちゃん!」


「おいチャイナ!テメェの怪力のせいで白雪が危なかっただろうが!」


「はー!?お前がちゃんと受け止めないから悪いアル!」


「まあまあ、私は無事でしたので、お団子でも食べましょう」


「わーい!クソサドの奢りアル!」


「はあ!?なんでテメェの分まで払わなくちゃならないんでェ!」


「お金は大丈夫ですよ。店長が助けてくれたお礼だそうです!」


「店長太っ腹アルね!」


「ふふっ」


無邪気にはしゃぐ神楽ちゃんが可愛くて、さっきまで沖田さんと喧嘩してたなんて信じられない。


神楽を微笑ましそうに見る白雪。その横顔を見つめる沖田の視線には未だ気づけないまま。

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スイ(プロフ) - 茉綾さん» ご指摘ありがとうございます!私も見直したら行間隔あけた方が読みやすかったので、これからは開けていこうと思います。思うところがあれば、これからもコメントして貰えると助かります。更新頑張ります! (2019年9月2日 7時) (レス) id: da575b137c (このIDを非表示/違反報告)
茉綾 - 続けてのコメントですみません(>_<) 物語読みました。 続きが気になります。 更新待ってますね。 (2019年8月28日 12時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
茉綾 - まだ早いですがこんにちは(*^^*) いきなりすみません...。 物語読んでいて思ったのですが...。 台詞の行間隔あけてはどうでしょうか? ちゃんと行間隔があいている所は読みやすい のですが...。 そうじゃない所は読みにくくて...。 いきなりでなんかすみません...。 (2019年8月28日 11時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:スイ | 作成日時:2019年8月7日 23時

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