「朧の都」 ページ10
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いい匂いがして目が覚めると
向井「あ、ごめん、起こしちゃった？」
ハクタクと向井さんが居て、自分の近くにはお膳が置かれていた。
向井「少し早いんやけど、朝食の時間やから待ってきた。食べられそう？」
『あ、、はい、』
向井「それなら良かったわ。後で辰哉が背中診に来るって言ってたで？」
『はい、、』
向井「、、んじゃあ、また後で、、。」
『後で？』
向井「あぁ、、えっと一日中部屋におるっていうのもあれやし、外でてみぃひん？」
『外、ですか？』
向井「そっ、城下町案内するよ。」
『でも、わたしここにいられるかわからないのに、』
向井「大丈夫やで。」
『反対じゃないんですか？わたしがここにいるの』
向井「最初は反対やったよ、陰陽師の人間やと思ってたから。でも、今はちゃう。ここで君が安心できるならここにいるべきやん？」
『、、、』
向井「まぁ、とりあえず食べ？診察終わった頃に迎えに来るから。」
『はぁ、、』
向井さんとハクタクが出て行くと、わたしは持ってきてもらったお膳の前に座った。
横にはまだマタタビが寝ていて、昨日の夜まで丸まって寝ていたはずなのに、今朝になったら仰向けのまま両手と両足をピンと伸ばしたまま寝ていた。
『、、干物みたい、、』
ちょっと可笑しくて笑ってしまう。
『いただきます』
手を合わせて、昨日と同じように味噌汁から飲むと
『あれ、、昨日と味が違う、』
それでも美味しいのは変わらなくて、あっという間に食べ終わってしまった。
深澤「入るぞ」
襖の外から深澤さんの声が聞こえてきて、「はい」と返事をすると中に入ってきて手際よく処置をして行く。
深澤「康二と外に行くんだって？」
『はい、』
深澤「そっか、一応護衛を付けとくから安心して行って来なよ。」
『護衛、？』
深澤「この都に悪い妖はいないけど、最近ちょっと物騒でね。」
『そういえば、下手人がうろついてるとかって言ってましたね』
深澤「あぁ。だから気を付けて。まぁ、康二がいるなら大丈夫だと思うけどね。」
『はい、気を付けます』
深澤「それから、はいこれ」
手渡されたのは、袖や裾に下がり藤が描かれた着物だった。
『これって、』
深澤「ここには着る奴が居ないから。着物も着てもらった方が幸せだろうし。」
『いいんですか、？』
深澤「貸すだけだ。他に持ってないだろ。」
『、はい、ありがとうございます。』
深澤「、あぁ、楽しんでこい。」
そういうと、深澤さんはすくっと立ってわたしの頭の上にぽんと手を置くと薬箱を持って出て行った。
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スヒョン(プロフ) - m.mさん» コメントありがとうございます！頑張って編集した甲斐がありました。お話も随時更新していくので読んでくださると嬉しいです！ (9月7日 12時) (
レス) id: 923ba31eb7 (このIDを非表示/違反報告)
m.m - 今回の動画胸熱すぎました！何回もリピしてます！小説も動画も更新楽しみにしてます！ (9月6日 20時) (レス) id: c7ba4a52f7 (このIDを非表示/違反報告)
スヒョン(プロフ) - くみさん» くみさんコメントありがとうございます😊少しずつみんなの過去が明らかになってくるので読んでいただけると嬉しいです。 (6月12日 15時) (レス) id: 923ba31eb7 (このIDを非表示/違反報告)
くみ(プロフ) - 更新ありがとう御座います！毎回楽しみに読ませて頂いております！皆さん悲しい過去を背負って生きてきたのですね｡･ﾟ･(ﾉ∀`)･ﾟ･｡ (6月11日 21時) (レス) id: ac351487ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スヒョン
| 作成日時：2023年6月8日 13時
