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ー『雪乃屋大広間』ー佐久間ー
マタタビ「大介、あたしはあの子を助けに行くよ。」
佐久間「マタタビ、」
玉藻「辰哉、悪いけどあたしも行かせてもらう。」
深澤「・・・」
マタタビと玉藻は俺たちに向き合うとそう言った。
犬神「見ず知らずの陰陽師だぞ？少しばかり霊気がかぐやに似ているからと言って酷曇が立ちこめる中、助けに赴くなど正気の沙汰じゃあないな。」
ハクタク「俺も同意見やわ。そうやっておびき出して俺らのこと殺すつもりかも知らん。」
崇徳上皇「それはないだろう。」
向井「なんで？」
崇徳上皇「わたしとマタタビと玉藻。そして亮平と辰哉、大介は一度あの子に触れている。」
犬神「だからなんだというんだ」
崇徳上皇「忘れたのか？妖憑き同士が触れるとごく稀に霊気を通して強く刻まれた記憶の一片が流れ込んでくることがある。」
ハクタク「だからなんやねん」
深澤「見たんだ。俺は、手当をするために背中に触れた時だった。背中に触れながら「何に背中の傷を付けられたんだ」とあの子に聞いた。」
佐久間「俺も同じ時にあの子に触れてた。」
村上「何を見たの？」
深澤「・・・森の中で、酷曇に襲われている記憶。」
佐久間「・・・俺も同じ。」
阿部「おそらくあれは、その時のあの子の目がまだ完全に開眼していなかったからだと思うけれど。黒い霧のようなものが体にまとわりついて渦巻いて何度もあの子の体を切り付けてた。」
崇徳上皇「私が見たのは、それよりさらに前の記憶だ。」
目黒「前？」
崇徳上皇「陰陽寮にいた頃の記憶だろう。」
岩本「何が見えたんだ？」
照が崇徳に聞いたその瞬間だった。森の方から雷が落ちたような地響きと木が軋むような鈍い音が聞こえてくる。
素早く涼太を背中に乗せたフリカムイが夜空へ上がって行った。
佐久間「一体、何が、」
玉藻「辰哉、あたしは行くよ、」
深澤「待て玉藻」
玉藻「ぐすぐすしちゃいられないんだよ、
あたしだけでも、」
玉藻がそう言いかけて、辰哉が玉藻の頭に白い手を優しく乗せた。
深澤「俺も行く。」
マタタビ「大介、どんすんのさ、あたしも行かなきゃ」
佐久間「うん、わかってる。俺も行くよ。」
あの記憶は、ただの記憶だけでは無かった。
あの子が感じた恐怖、絶望、その感情まで伝わってきたからだった。
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Asura(プロフ) - ありがとうございます！楽しみなしてます😆 (6月9日 1時) (
レス) id: 79a3f00215 (このIDを非表示/違反報告)
スヒョン(プロフ) - Asuraさん» はじめまして！コメントありがとうございます！まだ続編移行しておりませんので、しばしお待ちください！移行しましたら移行先貼りますね😊 (6月8日 1時) (レス) id: 923ba31eb7 (このIDを非表示/違反報告)
Asura(プロフ) - 初めまして！スヒョンさんのお話大好きです❤️いつも更新楽しみにしながら読ませていただいてます😆突然なのですが、続編の移行先はどこになりますか？ (6月8日 0時) (レス) id: 79a3f00215 (このIDを非表示/違反報告)
スヒョン(プロフ) - 39ra1sh0wさん» コメントありがとうございます！usermho6x4ya37←こちらになります！作品名検索でも出てくると思います！ (6月7日 22時) (レス) id: 923ba31eb7 (このIDを非表示/違反報告)
スヒョン(プロフ) - はなさん» はなさんコメントありがとうございます！嬉しいです😊 (6月7日 22時) (レス) id: 923ba31eb7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スヒョン
| 作成日時：2023年4月22日 2時
