「影と鈴」 ページ11
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辰哉「この傷、
佐久間「・・・え？なにって、」
背中に触れた指は何かをなぞるように動き、止まる。
辰哉「これは、人や動物につけられる傷じゃない。いや、傷と言うべきでもないな。答えなければ治療はしない。そうさな、この具合なら3日と保たずに死ぬだろうな。」
佐久間「ちょっと、それって・・・。」
辰哉「答えろ、これはいつどこで
背中に触れる指に力が入のが伝わる。嘘を付くのは賢明ではないと直ぐに分かった。どうせ見抜かれる、嘘をついて放り出されたとして、３日で死ぬのが本当ならどこの医者だって診てはくれないだろうが、わたしは答えることができなかった。
『わ、わからない。』
辰哉「・・・」
なにか言ってもらったほうがずっとマシだ。どうして黙っているんだろう。他になにか話した方がいいんだろうか。背中を向けていて見えないはずなのに視線が向けられているのがひしひしと伝わる。
『・・・黒い、何か、でした。』
辰哉「・・・姿を見たのか？」
そう問われて首を横に振った。
『黒い、何かとしか、分からなかったんです。』
佐久間「・・・辰哉、もしかして、」
辰哉「あぁ、呪いだろう。それもかなり古い。」
佐久間「解いてあげられないのかい？」
辰哉「無理だろうな。どんな呪いなのかも分からないんだ。下手なことはできないだろ。」
わたしを挟んで交わされる言葉に、わたしだけがついて行けていない。
佐久間「じゃあ、あと３日もすれば・・・？」
辰哉「いいや、傷自体は治せる。多少手荒い治療になるだろうが、死ぬことはないだろう。呪いは消えないがな。」
佐久間「じゃあ手当てだけでも、」
辰哉「その前に、もう一つ聞きたい。」
佐久間「辰哉、頼むからこれ以上は辞めておくれよ。ただでさえ怯えてるってのにそう質問攻めにされちゃ言いたいことも言えなくなるだろ。治療が先だよ。」
辰哉「・・・わかったよ。」
辰哉と言う人は、「少し痛むぞ」と不機嫌そうにいうと治療を始めてくれた。口調とは違い手つきは優しく、丁寧なものだった。背中が終わると、腕や脚、顔も手当てをしてくれてわたしの体は包帯でぐるぐるになっていた。
『あ、ありがとうございます、』
辰哉「治療は終わった。質問に答えてもらおう。」
『はい、』
辰哉「今、俺の後ろに何が見える？」
ずっと伏せていた視線を、その人の、いや、その人の後ろへ向けた。
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Asura(プロフ) - ありがとうございます！楽しみなしてます😆 (6月9日 1時) (
レス) id: 79a3f00215 (このIDを非表示/違反報告)
スヒョン(プロフ) - Asuraさん» はじめまして！コメントありがとうございます！まだ続編移行しておりませんので、しばしお待ちください！移行しましたら移行先貼りますね😊 (6月8日 1時) (レス) id: 923ba31eb7 (このIDを非表示/違反報告)
Asura(プロフ) - 初めまして！スヒョンさんのお話大好きです❤️いつも更新楽しみにしながら読ませていただいてます😆突然なのですが、続編の移行先はどこになりますか？ (6月8日 0時) (レス) id: 79a3f00215 (このIDを非表示/違反報告)
スヒョン(プロフ) - 39ra1sh0wさん» コメントありがとうございます！usermho6x4ya37←こちらになります！作品名検索でも出てくると思います！ (6月7日 22時) (レス) id: 923ba31eb7 (このIDを非表示/違反報告)
スヒョン(プロフ) - はなさん» はなさんコメントありがとうございます！嬉しいです😊 (6月7日 22時) (レス) id: 923ba31eb7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スヒョン
| 作成日時：2023年4月22日 2時
