クリーム色の青春【菅原孝支】 (ページ6)

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6.励ましたいページ6

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「俺ら、こっちだから」

澤村と結は、家が同じ方向なので二人で帰っていった。
あの二人も、ずっと進展しないままだけど……
私の二の舞にはなってほしくないな。

頑張れ、と心で応援して二人に手を振る。

「宮下、俺家まで送るよ」

菅原のその言葉に私は驚いた。
いや、嬉しいんだけど……いいのかな。
彼女いる人に送ってもらったりして。

「あ、いや………変な意味じゃなく……夜道に女の子一人は危ないだろ」
「う、うん……」

友達としての優しさ。
きっとこれが私じゃなくても菅原は同じように言う。
菅原のそんなところが、私は……。

「西谷が旭をすすめたのなんて、冗談だからな！気にするなよ」

「あはは、そんなこと気にしないよ」

さっきの冗談なんてすっかり忘れていたのに。

「もうすぐインハイだね。男子の方は、調子いいみたいじゃん」
「まぁね……一年にすごいの入ったし！今年は期待できるかな」

たしか一年に入ったすごい子って……セッターだったな。
北一出身の……ちょっと有名な子らしいし。
菅原が………正セッターじゃなくなるなんて、ない、よね？

「俺多分正セッターから外れると思う」

声は明るいけど、寂しそうな目をして菅原はそう言った。

菅原のこと励ましたい。
けれど、なんて声をかけたらいいのかわからない。

………いつか私が励ましてもらった日のことを思い出した。
私には菅原みたいに、気のきいたこと言えないけど………。

気がついたら私は菅原の手を無言でぎゅっと握っていた。

「えっ………？」

菅原は目を丸くして驚いていた。
しまった、変なことをしてしまった………。
私が反応するよりも早く。
菅原は私の手を振り払っていた。

「痛………」

勢いよく振り払われ、手に少し痛みを感じた。
けれどもっと痛かったのは、心だった。

「あの………ごめん、宮下………違うんだよ……その………」

バツが悪そうに慌てる菅原に
いてもたってもいられなくなって、走って逃げてしまった。