【歌い手】君と僕の18の約束【まふまふ】

【乙女だけの約束】 ページ15

「Aちゃんって、何のお仕事をしてるんですか？」


薄々感じていたが働きに行く姿を見たことがなかった。だからお家がすごいお金持ちなのかとも思ったのだが違うらしい。


「ふっふっふー！時に平和を守るヒーローとなり！時に世界を騒がせる女スパイや忍び生きる忍者となり、みんなに笑顔を届けるアイドルとなっちゃうんです！」


それは一体何者なんだろう……。結局のところ何も分かっていないが、すごい人なんだと言うことは分かった。


「す、すごいですね」
「でしょでしょー？？まあ、コスプレイヤーなんだけどね」


自分で服を作って、メイクして、なりたいものになる。そう楽しそうにAちゃんは話してた。


「その前は銀行で働いてたんだぁ」


あの頃は忙しかったなーなんて洗濯物を畳みながら懐かしそうに呟く。


「それでね、……私も逃げてきちゃった、元彼のとこから」
「え…」


ニコニコとあまりにも自然に言うものだから聞き間違いだと思ってしまった。でも続けて出てくる言葉はどれも本当で、嘘を着いているようには見えなかった。

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