【歌い手】君と僕の18の約束【まふまふ】

【とあるリビングでの約束】 ページ11

初めて会った君の第一印象は綺麗とか、可愛いとか言う感情よりも、心配になるような細い腕を見て、この子においしいご飯をいっぱい食べさせてあげたい！という思いだった。


そしてその次の印象が…


「…こんにちは。そらるさんのお家に住まわせて貰っております、永春(ながはる) Aです」


テンプレートのような挨拶を一礼しながら言う彼女の声がとても透き通って綺麗だったこと。温もりのないその声は冷めていると言い表すよりも『無』と言った方が当てはまるような声だった。


「お茶いれますね」
「ありがとう。Aちゃんは気が利くね」
「そ、そんな…！住まわせて貰っている身なので、当然です……」


どこまでも低姿勢で健気な彼女。まだ僕に警戒心があるのか、そらるさんと話す時よりも少し言葉に詰まるところなんかが、懐かない猫のようで可愛く思えた。


「ちょっとまふくーん？怖がらせないでよ？背だけは高いんだから」
「身長のこといじらないでよ……、というか、やっぱり怖がってる…？」
「さー？どうかな。私なら怖いよ」

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