【歌い手】恋する彼女 vol.11【完】

▽@彼シャツ うらたんに恋する彼女 ページ21

〈 Mercury様 から リクエスト 〉


「うらたん、服借りていー？」
「おー」

最近オーバーサイズだとかが流行りになってきて、流行りものが好きな彼女はそれに便乗するように服を借りるようになった。初めこそ抵抗はあったが、「うらたんのセンス好きなんだもん！」と言われてしまっては好きにしろとしか思わなくなってしまった。


「ねね、どー？？」


ストライプとボーダーを上手く組み合わせて仕立てられたそれは、結構オレの中でもお気に入りで、彼女が着るとちょっと来るものがある。

袖も余ってるし、とにかくぶかぶか。
身長も違うわけだから丈もその分長くなるわけで、ワンピースみたいになっている。


「あー…、うん、…可愛いんじゃね？」
「むー。反応薄めー」


いや！本当はすっごい可愛いんだけど…！
黒のスキニーとも合ってるし、ベルトを使って前だけ裾を短くしてるところも凄い可愛い。彼女がオシャレ過ぎてかわいー。

言葉で表せない分をスキンシップで表せば、それも分かっているようにふわふわと微笑む彼女。


「でもやっぱり袖が長いなー」


オレでも萌え袖になるんだから、彼女が着たらキョンシーみたいだ。


「ん。かして。巻くってあげる」
「うらたん、優しい！」
「今頃？」
「いつもは意地悪じゃん！」


右手からカフスの幅に合わせて二回折って見ても彼女の手は出てこない。何だか直接的に体格差を見せつけられているようで守ってあげたくなるパラメーターが上がっていく。


「はい、左手」
「ん。してください」


一回、二回、……三回。
なるべくシワが出来ないように折り曲げるに連れて、彼女との距離も近くなることに気がついた。


「手、でたー！ありが────っ！？」


出てきた手首に指先だけを這わせれば、感謝の言葉が遮られる。なんて単純なんだろうな。

どこもかしこも柔らかくって、癖になりそう。袖口の中に手を入れて行けば、より赤くなる顔だとか、止めてと訴える瞳だとかが見ていたくてもっと意地悪したくなる。


「せっかく着替えてくれたけど、ごめん。無駄にしちゃうかも」
「〜〜〜っ」
「ね。いい？」


どうせ逃げられはしないのに許可を求めるのは駄目なこと？



わかりやすく余裕が無くなる感じがする。知らない快感まで引き出してくれそう。
「ね」の部分が低くて逃げられないような声だったらもー、好き！！

隠れた部分を人に触れられるとゾクゾクするよね、って話。

▽@彼シャツ 志麻くんに恋する彼女→←儚い10日間。 / うらたぬき

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