【3年A組】time limit 3【柊一颯】 (ページ5)

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先生はペンを遠くへと投げ飛ばすと

痛みに耐えるように両手で私の背中を掴んだ

『先生…

何処か痛いんですか…？』

「……っ…

せ、なか…さすって…」

私は言われたとおりに背中をさすると

荒かった息遣いも少しづつ落ち着いていく

しばらくして

先生は1つ大きく息を吐くと

"もう大丈夫" と言って私の腕から離れた

しかし私は

ﾌﾗﾌﾗと立ち上がろうとする先生の手を

咄嗟に掴んでいた

「……ん？

どうした？」

『……どうして

体調が悪いんですか…？』

その言葉に一瞬表情が曇ったような気がしたが

先生はすぐに優しい微笑みを浮かべて見せた

「なんでだろうな

ココ最近の疲労が祟ったかな」

『……体重も

かなり落ちてましたよね』

「食欲がなくてね

あんまり食べてなかっただけだよ」

『ただの体調不良で

背中に痛みは感じません』

「甲斐とやり合ったときに痛めたのかもな

俺も歳だな」

なんの戸惑いもなくそう返事をする先生に何も言えないでいると

先生は私の頭に手を置いて目線を合わせた

「心配してくれてありがとう

でも大丈夫だ

俺は

Aのそばにいる」

そう言って目を細める先生は

私に優しく口付けをして立ち上がると

廊下へと向かい

落ちている武器を袋へと回収していった

「第二部、開幕…」

小さく聞こえた呟きが何を意味しているのか

私にはわからなかった