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「そう言えばさっき
甲斐と何話してたんだ」
手のひらをなぞった先生の細長い指に
体を走る微かな痛みと
くすぐったさから漏れそうになる息を堪える
『…っ…カメラで見てたんですか？』
「まあな
でも、小声で話してたから会話まではわからなかった」
『…別にこれと言った話はしてませんよ？』
「……そうか」
先生は不服そうな様子で私の指に自分の指を絡めた
「正直、甲斐がAの手を掴んだときは焦った」
『……え？！
そ、そういうのじゃないですよ？
隼人は幼なじみだし…
小さい頃はよく手を繋いで遊んでましたから
お互いそういう風に意識はしてないって言うか…
兄妹のようなもので隼人もそんな風に思ってないと思いますよ？』
「……とことん鈍いやつだな」
『…えっと……どういう…』
「寝るか」
『え、急過ぎません？
というか無視ですか？』
先生は私の問いに答えることなく立ち上がると
絡めた指をそのままにして部屋の奥へと進んで行く
見るとそこには小さなソファーらしきものがあり
先生は私を腕に収めるとそのまま横になった
『……先生、
状況がイマイチ理解出来てないんですけど…』
「眠れないって言ってたから
寝かせてやろうと思って」
『あれは苦し紛れに出た嘘っていうかなんていうか…
いや、眠れなかったのは本当だけど…
というか！みんなにバレたらどうするんですか』
「そんなの、朝こっそり戻ればいいだろ
黙って寝てろ」
『そんなこと言われても…』
この状況で眠れるはずもない
首元にかかる先生の暖かい息や
ちょっとクセのある髪の毛が
妙にくすぐったい
こんなに近くに愛しい人の体温を感じて一晩過ごすなんて
正直心臓が持つ気がしなかった
「……鼓動、速くなってるな」
『……い、言わないでください…
むしろ先生の落ち着きようが怖いです…』
これまでにない速さで脈を打つ私の心臓とは裏腹に
背中から伝わる先生の鼓動は落ち着いている
「無理にでも平常心でいないと理性が飛びそうなんだよ
わかったら黙って寝なさい」
その言葉に私は向かい合うように体の向きを変えると
先生の胸に頭を埋め
そのまま目を閉じた
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佐藤。(プロフ) - マドレーヌさん» ありがとうございます！本当に不定期すぎる更新で申し訳ないです…。頑張ります！ (2019年10月11日 18時) (
レス) id: e3ca0308e7 (このIDを非表示/違反報告)
マドレーヌ(プロフ) - とてもおもしろいです(*^^*)一気読みしてしまいました！これからも頑張って下さい♪応援してます(p｀･ω･´q) (2019年10月4日 19時) (レス) id: c84dba5333 (このIDを非表示/違反報告)
佐藤。(プロフ) - 歌波さん» そうなふうに言っていただけて嬉しいです…！完璧なる自己満足作品ですが、これからもよろしくお願いします！ (2019年5月3日 16時) (レス) id: e3ca0308e7 (このIDを非表示/違反報告)
歌波 - 神作をまたもや発見 (2019年5月3日 14時) (レス) id: b72e644e8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐藤。 | 作成日時：2019年4月30日 18時
