独 占 欲【stpr】

出会い＜ころん＞ ページ1

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「なぁ聞いた？今日このクラスに転校生来るらしいよ！」




朝。夏休みが終わってからまだ数日しかたっておらず、まだ長い休みが終わったあと特有の怠さが抜けない。


教室内にも心做しかどんよりとした空気が流れている。


僕は仲の良い友達と雑談をしながらホームルームの時間までを過ごしていた。



そこに、1人のお調子者のクラスメイトが興奮した様子で教室に駆け込み大きな声を上げる。

刹那、クラスはパッと盛り上がる。


何処からともなく「えー、男の子かな」「女の子だろ！」「可愛かったらいいなー」「イケメンだったらどうしよう！」そんな声が止まない。



「どんな子が来るんだろうな。」

「それな。めっちゃ気になる。」


それは友達も例外ではなく、ドキドキが抑えきれていない様子。



「ころんはどう思う？」

「つーか、なんか今日ボーッとしてね？」



友達の様子を客観的に見ていれば、突然僕に話がふられた。


「あー、うん。かわいい女の子が来たらいいな」


適当にそう返せば、やっぱりなー、それな、などと返事が返ってきて、転校生の話はまた盛り上がる。


僕はそれらの話を聞き流しながら、窓の外に目を向ける。


"転校生"か。別に誰が来ても僕には関係がない。だからなんとなく気が乗らなかった。


それなのに僕の心臓の鼓動が速くなっている。
身体が火照ってきて熱い。


そんな自分に気付いていて、心は何ともないのに身体が妙に興奮していて、ただ不思議だった。

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