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ちょっと付き合ってよ、そういった彼の後ろに着いていきクレーンゲームをするその背中を見つめながら私はさっきの続きを話す。
「わたしもね、貴方のこと知ってるよ」
深澤「お、まじで？」
「深澤くん、でしょ？」
深澤「フハッ、そうそう、いやー、嬉しいね？」
「もっとチャラチャラした気取った人なのかなって思ってたよ」
深澤「おいっ！(笑)何だよそれ！(笑)イメージ最悪じゃねーか！」
「イメージだからね」
噂とか聞く限り、きっとチャラチャラしてて怖い人なんだろうなって。
だけど全然違った。
本当は、とても気さくで話しやすくて、人のことをよく見ていて、何よりとっても優しい。
ずっとずっと、素敵な人だった。
”よっしゃ、げっとー！”そんな声と共に振り向いた彼は、やっぱりどこから見ても優しさに溢れていた。
そしてそんな彼には似つかない2連のフープピアス
それがとても似合っていてかっこいいなっ、て。
深澤「じゃあなに、イメージと違った？」
「当たり前じゃん」
深澤「そ？なら良かった(笑)てかさ、深澤くんって辞めね？わら」
「え、なんで」
深澤「深澤くんとか普段呼ばれねーから何だか気持ち悪い！わら」
なんだそれ、いいじゃん深澤くん。
「じゃあ、ふっかとか？」
確か”ふっか”ってみんなに呼ばれてたような。
だけど目の前の彼はん〜とか言ってどこか不満そう。
深澤「辰哉じゃダメ？」
「へっ？」
何ならいいんだって思ってたらまさかの下の名前。
ダメって聞いてくるけれど、寧ろダメじゃないの？
深澤「深澤くんは遠いし、ふっかはありきたりすぎるし〜、
辰哉って呼ぶ子いないからそう呼んで欲しいなって！」
そういろいろ理由を言ってくる。
私としてはそっちがいいならなんでもいいんだけど。
「じゃあ、辰哉？」
遠慮ぎみに呼ぶと、彼はくしゃっと笑った。
深澤「ん、それ。そーして？」
「了解、辰哉、ね。」
深澤「ふふ、それそれ(笑)俺もあかねって呼んでい？」
「もちろん。」
これが私とふっかの出会いだった。
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作者名：chi
| 作成日時：2021年3月4日 23時
