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もちろん、芸能コースに通う彼と普通のクラスの私が知り合う接点なんかは全くなく。
深澤くんは芸能コースに、しかもジャニーズJrに身を置いてるから有名で、しかもとてもモテることから流石の私でも知っていた。
だけど絡んだことも、話したこともないそんな彼からいま突然話しかけられてびっくりする。
「えっ、」
深澤「さっきからそれずっとやってんじゃん？そんなに可愛い？それ」
「かわいく、はないね」
深澤「ぇえ？何それ(笑)じゃあなんで」
「まあ願掛け、というか」
深澤「え？(笑)」
て、聞かれたからって何正直に、しかも深澤辰哉に話してるんだ。
案の定彼も何言ってんだみたいな反応するし。
まあいいや、どうせ取れないし、1人で勝手に賭けただけだしね。
そう諦め、足元に置いてたカバンを肩にかけ帰ろうとした。
深澤「あれ、やめんの？」
「だって取れないし」
深澤「えー、でもそれだと願い叶わねえじゃん？」
「は？」
絶対バカにされてると思ったのに。
だけど彼は違くて、「ほらほら」そう言って私を元の台に戻しお金をいれ、私の後ろから腕を回し私の手の上に重ねた。
「えっ、ちょ、」
深澤「あのままじゃぜってーとれねーし。
それに俺UFOキャッチャー超得意なの。」
深澤「だから俺がお手伝いー。」
「何それ、」
意味がわからない。
初対面だし、そして何よりも距離が近い。
私の背中にピッタリとくっつく身体。
しかも彼の横顔も手も、ジャニーズということもありやっぱり他の男とは別格で。
こんなことされたら普通の女子なら勘違いするし、一瞬で好きになっちゃうぞ。
いや、私も普通の女子なんだけどさ。
ただ彼がモテることに、なんとなく納得できてしまった。
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作者名：chi
| 作成日時：2021年3月4日 23時
