44 ページ44
.
「あっ、……」
「なに…？」
やっと全部のしこりが取れたと思ったのに、一つ、ずっと気になってたことを思い出す。
「天音さん……」
「天音……？」
「天音さんとは…どういう……」
大我くんの気持ちを疑うようなことしたくないのに、どうしても彼女の存在が気になって仕方ない。
そんな私の質問に眉を潜ませ黙り込んだ後、ポツリ一言。
「天音って誰。」
「……え？」
え、何それ、え？
「…天音さんだよ？」
「うん、だから誰」
「嘘でしょ？」
え、天音って名前じゃないの？だけど田中くんも呼んでたし……。
そんなことを考えてたらどうやら思い出したのか「ああ、あいつのことか」って。
「確かにそんな名前だったかも」
「…知らなかったの？」
「知らない、興味無いし。で、そいつが何？」
「いや…好きなのかなって……」
「好きじゃないでしょ、名前も知らないのに」
「…ですよね。」
いや、うん、流れ的にそうかなとは思ったけど…。でもそんなことある？ずっとずっと悩んでたんだけど？
なのに、当の本人は楽しそうな顔をする。
「…何」
「あいつに嫉妬したんだ？」
「……え！？」
思わず大きな声が出た。当たりだけど、改めて言われるとすごく恥ずかしい。大我くんは更にニコニコするし。
「うざかったけど意外といい役割してくれてたんだなあいつ」
最低すぎる発言に少し引きつつ、やたら嬉しそうな大我くんに「…嫌じゃないの？嫉妬とか」って恐る恐る聞けば「全然？俺だってふっか達に嫉妬したし」と当たり前のように言われ驚かずにはいられなかった。
「何その顔。」
「いや、なんか、意外すぎて……」
「するに決まってんじゃん。仲良すぎだし、普通に妬いた」
「大我くん……」
「でもまあ別にいいよ、仲良くしても」
「…え？」
パッと顔をあげれば、唇になにか当たる。それが大我くんの物だって気づくには少し時間が必要で。みるみるうちに顔が赤くなる私を大我くんは愛おしそうに見つめた。そして、
「だって相当、俺の事好きみたいだから」
多分一生、この人に叶わないと思う。
. .
「……なんか悔しい」
「何それ。てか顔赤っ」
「うるさい、もうやだ」
「嫌い？」
「……分かってるでしょ」
「さあ？」
「大我くん…」
「ん？」
「…もう一回」
「は！？」
「あ、照れた」
「……お前、うざ」
だけど、私を見つめる目はやっぱり優しいもので
ああ、幸せだな、って＿＿＿＿
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1899人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちい(プロフ) - 大好きな作品に出会えましたありがとうございます♡Twitterも覗きに行きます♡ (8月6日 14時) (
レス) @page19 id: c90a08384d (このIDを非表示/違反報告)
chi(プロフ) - あおいさん» コメントありがとうございます。また、お待たせしてすみません（ ; ; ）番外編も作ろうと考えてますので少々お待ちください(^^)ありがとうございます！ (2023年2月1日 21時) (レス) id: ad245d709c (このIDを非表示/違反報告)
chi(プロフ) - 彩花さん» コメントありがとうございます。また、お待たせしてすみません（ ; ; ）リクエスト頂いたお話とても面白そうでぜひ参考にしたいと思います！ありがとうございます！ (2023年2月1日 21時) (レス) id: ad245d709c (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - 更新ありがとうございます！続きを楽しみにしてました!!リクエストなんですけど、体育祭の後の話を少しでいいので見てみたいです！ (2023年1月30日 12時) (レス) @page50 id: 09f424ba98 (このIDを非表示/違反報告)
彩花(プロフ) - 更新ありがとうございます！密かに待ってました！そしてお疲れ様です！リクエストなのですが学生で京本大我くんが好きでアピールしてる女の子と全く興味ない京本大我くんのお話が見てみたいです、、！ (2023年1月28日 23時) (レス) @page50 id: 882fe032cd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：chi
| 作成日時：2022年6月18日 16時
