コックの気苦労 ページ42
(side Marco)
マ｢…｣
とは言ったものの、正直気になって仕方がない。あの後すぐに彼女を連れて親父の部屋へと乗り込んで行ったサッチをこっそりつけては物陰から覗くこそどろみてぇな真似をする羽目になった。
エ｢何してんだマル…｣
後ろから大股でだらしなく歩くエースには気づいていたがここでいつもの考えなしの大声を出されては中のサッチ達に気づかれるじゃねえか。
慌てて馬鹿みたいにデカく開いた口を手で覆って首に腕を巻きねじ込む。
エ｢もがっ…！何すんだよマルコ！｣
騒ぐなと察したエースが苛立ちを含めた小声で目を吊り上げる。
マ｢シッ…親父が寝てんだ、騒ぐなよい｣
エ｢んだよそれ、まだ真っ昼間じゃねえか｣
窓からは煌めく水面と陽の光が零れる。よく晴れた今日は洗濯日和だが、窓の外では忙しそうに船大工たちが行き交っているのが見える。
マ｢いいから行けよい、どうせ昨日の始末書まだ手ェ付けてねえんだろい｣
昨日の手合わせでラクヨウとエースは熱中しすぎたのか甲板の床板をボロボロにしている。おかげで朝から大工たちは大忙しだ。次の島で板や釘なんかを補充しなくてはならない。
始末書と聞いて血の気がみるみる引いていったエースは何も言わずに踵を返して静かに自室へと帰って行った。
マ｢さて、と…｣
気配をなるべく消して扉の窓から中を覗く。中では親父がベッドに寝転んだまま酒を煽っていた。ナースの忠告もろくに聞かねえ困った人だ。
親父の枕元には何やら目を輝かせながら喋るサッチと、初めて目にする四皇白ひげを前にガチガチに縮こまって固まる彼女の姿があった。
自分達で頼みに行けとは言ったものの、よく良く考えれば捕虜上がりの小娘が親父を前に正気でいられるはずもなかった。いくら俺達にとって偉大な父であろうとも、彼女からすれば海賊に代わりなく四皇なんて大悪党にしか映らないだろう。
罪悪感を覚えた俺は聞き耳を立てる。覇気を使えばこんな気苦労せずに済んだと気付いたのは残念ながら随分後の事だった。
サ｢…ってな訳で、この子を酒の調達係としてこの船に置きたいんです。この子、鼻もよく効くし酒にも詳しくて｣
目を輝かせつつも冷静に話そうとするサッチの額に汗が滲んでいた。
白｢酒の調達？ンなもん間に合ってるだろォ。グララ…何がしてえんだ、言ってみろ、サッチ｣
やはり親父に誤魔化しは効かなかったようだ。いつになく必死な様子のサッチを面白そうに親父が見る。
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がまお(プロフ) - ちルチルさん» ありがとうございます！！過去編もうちょっとだけ続くと思われます！これからもどうぞお付き合い頂ければ嬉しいです！！ (2019年5月13日 23時) (
レス) id: e776fbd167 (このIDを非表示/違反報告)
ちルチル - ついに過去編来ましたか！過去の夢主ちゃん可愛いですね〜(´ω`)これからも応援してますからどうぞ更新頑張って下さい！ (2019年5月13日 15時) (レス) id: d78596acdf (このIDを非表示/違反報告)
がまお(プロフ) - 焔さん» わあ！ありがとうございます！とっても嬉しいお言葉…！感無量です！ファンだなんておこがましすぎますが頑張らせていただきます！これからもどうぞお付き合いください！ (2019年4月19日 22時) (レス) id: e776fbd167 (このIDを非表示/違反報告)
焔(プロフ) - がまお様 Twitterの通知からこちらに来させて頂きました。とてもお話が面白く読みやすく没頭してしまい一気に読ませていただきました。ファンになりました、応援さてください！続きも楽しみにしております。 (2019年4月19日 2時) (レス) id: 05617d7299 (このIDを非表示/違反報告)
がまお(プロフ) - シャノワールさん» ありきたり展開で申し訳無いです…（;∀;）少しでも面白いと思って頂けるように頑張ります！！これからもどうぞ暖かい目で見ていただければと思います！ (2019年3月29日 1時) (レス) id: e776fbd167 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：がまお | 作成日時：2019年3月15日 15時
